大正ソレイユ物語【鬼滅の刃】【成り代わり】 (ページ6)

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突然禰豆子に斬りかかったのは奇妙な羽織を着た人だった。
刀？なんで刀なんて。廃刀令を知らないわけじゃないだろうに。
表情からは、何も感じられない。ただ静かに彼は私を見据えた。

「なぜかばう」

「妹なの！私の、妹なの!! 」

私の言葉に、彼は眉をひそめた。
それまで大人しくしていた禰豆子はうめき声をあげながら暴れ出す。私がそれを何とか掴んで止めていると、再びその人は口を開いた。

「それ(・・)が妹か？」

「 ...妹です!! 」

はっきりと、断言した。それを聞いたその人は私たちに向かって駆けてきた。咄嗟に、禰豆子を守ろうと禰豆子に覆い被さった。...が、気づくと禰豆子は......彼に捕らえられていた。

「禰豆子っ!! 」

「＿動くな」

禰豆子の元に駆けよろうとした足はすぐに止まる。

「俺の仕事は鬼を斬ることだ。勿論、お前の妹の首も刎ねる」

「待って!!禰豆子は誰も殺してない!! 」

待って、お願い、禰豆子を殺さないで。必死にその男を私は説得する。

「私の家にはもう１つ、嗅いだことのない誰かの匂いがした！みんなを殺したのは、多分それだと思うの！

禰豆子は違う、どうしてそうなったのかわからないけど、でも__ 」

「簡単な話だ。傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった。
__人喰い鬼はそうやって増える」

「禰豆子は人を喰ったりしない！」

「よくもまあ、今しがた己が喰われそうになっておいて」

「違う！私のことはちゃんとわかってる！」

激しい口論が続く。
やだ、やだよ。鬼だろうと何だろうと、禰豆子は禰豆子で、私の大切な妹なんだ。
いつだって笑顔で、癖っ毛を気にしている私にそんなことないって言ってくれて、下の弟妹を自分より優先していて。だから、だから。

「私が誰も傷つけさせない、きっと禰豆子を人間に戻す!!絶対に治します!! 」

「治らない。鬼になったら人間に戻ることはない」

「探す！必ず方法を見つけるから殺さないで！」

だんだんと涙がこぼれ出す。

「家族を殺した仇も見つけ出すから、
私が、私が全部ちゃんとするから、
だから、だから...やめて!!! 」

もう奪わないで。

私の大切なものを、とっていかないで。

「やめてください...。どうか、妹を殺さないでください、お願いします...お願い、します... 」

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