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幸せが壊れる時にはいつも
血の匂いがする___。
冬は、やっぱり寒い。吐く息が白くなって、消える。寒いなあ、寒いなあ。
寒くて、幻覚まで見えている。私、かなり重症だなぁ。
禰豆子と六太が血を流して倒れている幻覚なんて。
駆け寄って確かめる。____幻覚なんかじゃ、ない。
「 どうしっ、どっ、どうしたの!!! 」
呼びかけても応答はない。禰豆子も六太も、赤黒い血を流したまま、ぐったりとして動かない。
なんで、どうして、なんでこんなことに。
「 何があった__ 」
家の中を、見た。
そこには、お母さん、花子、竹雄、茂が赤黒い血がべったりとついた部屋でひっそりと息絶えていた。
「 ...お母さん、花子、竹雄、茂、禰豆子、六太... 」
頭が真っ白になる。頭を何度も鈍器で殴られているようだった。
嫌だ、どうして、なんで、嫌だ。そんな思いがぐるぐると脳内を回る。
息遣いが荒くなるのが自分でもわかる。動かなきゃ。まだ、息がある家族がいるかもしれない。
しっかりしろ、私。
自分を奮い立たせて私は立ち上がった。
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作者名:あるみかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=48be83eaada675e79ed496ea5cdf8f4f...
作成日時:2019年8月8日 19時