大正ソレイユ物語【鬼滅の刃】【成り代わり】 (ページ3)

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生活は、楽じゃないけれど幸せだな。でも、人生には空模様がある。移ろって、動いていく。
ずっと晴れ続ける事はないしずっと雪が降り続ける事はない。

_そして、幸せが壊れる時にはいつも血の匂いがする。

「まあ、陽炭ちゃん。こんな日に山を降りてきたのかい、よく働くねえ。
女の子なんだから、もう少し休んだら？」

「おーい、炭を売ってくれ」

「こっちも炭をちょうだい」

「あ～～～っ、陽炭っ、ちょうど良かったぁ!! 」

一際大きな声にびっくりすると、そこには顔馴染みの彼が鼻血を出して私に助けを求めていた。あら...。

なんでも、皿を割った犯人されているそう。嗅いでくれ、と言われて割れたものの匂いを嗅ぐ。

「猫の匂いがする」

「あら、猫なの？」

「ほらああぁ!!俺じゃないって言っただろ！
陽炭、ありがとうっ！よかったら俺と恋仲に、」

「おーい陽炭ちゃん、炭くれねえか！」

「あ、はい!! 」

「 ...あんた、諦めたら？」

「うるせぇ... 」

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(遅く、なってしまった...)

「こら陽炭！お前山に帰るつもりか!!
危ねえからやめろ！」

「私は鼻が利くから平気だよ」

「うちに泊めてやる、来い。戻れ」

「でも... 」

「いいから来い！
____鬼が出るぞ」

三郎お爺さんの剣幕に圧倒されて、渋々家に泊めてもらうことに。
三郎お爺さん曰く、人喰い鬼は日が暮れるとうろつき出すんだって。

「鬼は家の中には入ってこないの？」

「いや、入ってくる」

「 ...じゃあ、みんな、鬼に喰べられちゃう」

うとうとしながら、なんとか言葉を返す。今日もよく働いたからか、眠気が襲ってきた。

「鬼狩り様が鬼を斬ってくれるんだよ、昔から... 」

三郎お爺さん、家族を亡くして独り暮らしだから寂しいんだろうな。
今度、弟たちを連れてくるから。怖がらなくても鬼なんていないよ、大丈夫。...でも、そういえば、うちのお婆ちゃんも死ぬ前に同じこと言ってたなぁ...。

私はそこまで考えてから、糸が切れたようにぷつりと意識が途切れた。

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