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「 _大丈夫? 」
ぱちり。私は、目を覚ました。
がばりと私は起き上がる。
「 さっきの見た?
凄い一撃だった、無駄な動きが少しもない。本当に綺麗だった!!あんなふうになりたい私も、なれるかな?あんなふうに... 」
「 きっとなれるよ。私が見てあげるもの 」
にっこりと、微笑んだのは可愛らしい少女だった。そこで私は初めて、この少女を認識した。
この子は、誰?
「 君は誰? 」
私の問いに、真菰だと返した。あの少年は錆兎だと教えてくれた。
そしてその後に、私の悪いところを指摘してくれた。
「 なんで、私に教えてくれるの? 」
「 ん〜〜教えな〜い 」
「 じゃあ、どこから来たの? 」
「 それも教えない〜 」
「 えぇ... 」
真菰は、不思議な女の子だった。
そして、真菰は繰り返し「 私たちは鱗滝さんが大好きなんだ 」と言っていた。
「 錆兎、今日こそ勝つよ 」
「 やってみろ、できるものなら 」
今日も今日とて、錆兎には敵わなかった。倒れる私を一瞥して、錆兎は森へといつものように帰ろうと背を向けた。
あっ...!!
私はその背中を慌てて追いかけて、錆兎の羽織を掴む。
「 ...なんだ。今日のはもう終わっ__ 」
「 いつも、付き合ってくれてありがとう!! 」
ふわりと笑う。錆兎の顔はお面で見えなかったけれど、微かにたじろいだのがわかった。
いつも、私の鍛錬に付き合ってくれている錆兎には出会いこそアレだったが感謝している。もちろん、真菰も。
「 ...お前にお礼を言われる筋合いはない 」
「 私の名前は竈門陽炭!! 」
「 ...... 」
「 ............. 」
「 ............................... 」
「 ................................................ 」
「 ......わかった、陽炭 」
「 ふふ、うん 」
根負けした錆兎が渋々、そう返した。せっかく何ヶ月も鍛錬しているのに、名前で呼んでもらえないなんて悲しいしね。
真菰にもお礼を伝えれば、にこにこと笑いながら抱きつかれた。かわいい。
そして、半年後___
その日、私が挑みに行くと錆兎は真剣を持っていた。
「 半年でやっと、ここまで来たな__陽炭 」
「 今日こそ、勝つよ 」
_真正面からの勝負は単純。より速く、より強い方が勝つ。
一瞬で、勝負は決まった。
この日、この瞬間。初めて私の刃が先に、錆兎に届いた。
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作者名:あるみかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=48be83eaada675e79ed496ea5cdf8f4f...
作成日時:2019年8月8日 19時