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翌朝。

昨日より早く家を出た私は当たり前だけれど昨日より早く学校に着いた。

眠いなぁ。

そう思いながらあくびをし、楽譜を腕に抱え体育館へと向かう。


「おはようございます」


そう挨拶すると


「……」


静寂が返ってきた。

見ると誰もいない。

吹奏楽部の人も、先生も、生徒会の人も。

あ、あれっ?時間間違えたかな。

内心焦りながら体育館の大きな遠くの時計を眼を細めてみると集合時間の15分前だった。

早く来すぎちゃった。でも吹いても別にいいよね?

楽器に沢山息を入れてアップをしておいた方がいいし。

そう思いながら譜面台に楽譜の入っている黒いファイルをどさっと置いて自分の楽器を出す。

そしてマウスピースを唇にあて唇を振動させる。

あてた瞬間金属のあのひやっとした感覚がした。

でもその冷たさは私の息で温まり感じなくなった。

そのあとマウスピースを楽器の唄口に指してさっきと同じように唇を震わす。

するとトロンボーン特有の低めの渋い音が体育館に響いた。

吹くのをやめると少しだけ反響したのが残っていた。


「……朝だからやっぱり音が出にくいな」


朝はまだ体が起きていなくて息がちゃんと出にくい。

そのあと、皆が来るまで私は基礎練習をしていた。



そして皆で合わせてついに入学式本番。

全く緊張していない。

きっともっと緊張しているのは新一年生だから。

そして新入生が入場。

私たちが奏でる明るいさわやかな感じのマーチに合わせて新入生が入って来る。

一年生の顔は緊張していて硬い表情だが

その中から期待や喜びなどとても明るい感情が見て取れる。

私も一年前はあんなだったんだろうな。

私はそう思いながらリズムを刻むことに集中する。


そして先生の手が下がる。

全員椅子に座ったらしい。

私たちは楽器を急いで、でも丁寧に床に置き自席に戻る。

2組は端ではないので入るのが大変だ。

まだ出席番号が早い方だったからましだが。

私は頭を下げながら人と人の間を縫うようにして通る。

ホント狭いな。何でこんなに狭いんだろう。

内心愚痴りながら自席までたどり着く。

そしてスッと座る。

なんか前後ろどっちも背が高いから圧迫感があるな、なんて思いながら入学式が始まった。

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桔梗(プロフ) - 夜美のアリスさん» 有難うございます!プロフも見て下さり感謝です……。黒バス、ハイキューいいですよね! (2014年12月23日 19時) (レス) id: 647d957ad5 (このIDを非表示/違反報告)
夜美のアリス - 更新頑張ってください!プロフみました!黒子のバスケ&ハイキュー大好きです!かっこいいですよね! (2014年12月23日 19時) (レス) id: 3b4f32f475 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - ありがとうございます!!あ、トランペットさんなんですか!かっこいいですよね! (2014年8月24日 21時) (レス) id: 647d957ad5 (このIDを非表示/違反報告)
妃奈☆TP - 面白いです! 更新、頑張ってください♪応援しています(^・∀・^)/ あと、いらない情報なんですが、私、吹奏楽部でトランペットを吹いております(笑) (2014年8月24日 13時) (レス) id: cad065f25e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桔梗 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2014年8月14日 0時

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