V系短編

攻略不可能(Lycaon→零) ページ19

〜学パロ〜

零:ちょっとアンタ

A:え、はいっ！

零:どいて

A:あ、ごめんなさい！

わたしは、同じ学年の零くんにとっても嫌われてるようなのです！！

そして零くんはわたしの気になる人なのです。

遡ること数週間前。

わたしは忘れ物を取りに教室へいった。

放課後だったから人はまばらで、静かだった。

零くんだ…

すごい整った顔をしていて

女の子みたい。

寝てる………。

じっと寝顔をみているとぱちっと目が開いた。

A:あっ

零:なんか用？

A:あ、教室に忘れ物取りにry

零:……。

スタスタと出てってしまった。

電車の定期落としてる。

A:待って、零くん！！

零:なに？

止まってくれない…。

A:電車の定期落としてるよ！

ピタッ。

戻ってくる。

零:ごめんありがとう。

無表情だが声がいつもより優しかった。

零:じゃあ。

颯爽と歩いて行ってしまった。

不思議な人だなあ…

そして

イマココ！！

友達には話してくれるだけマシだと言われるけど

あの扱いは結構心にきます。

てか、また零くん忘れ物だよ。

バンドスコアが机の上に置きっぱなし。

大切なものだよね。

A:零くん！！！バンドスコア！！

零:いいよ。

A:え？！

零:アンタ物好きっていうかお人好しだね。

A:ちょ、ちょっと待って！！

ズタッ！！！

今見事に、盛大にこけました。

零くんも見てたみたい。

零:ふふふっ

クスクスと笑っている。

A:えっ！？

零:アンタやっぱ、面白いね(笑)

ぽかんとしていると

零:はい

手を差し伸べてくれた。

初めてこんな顔を見た。

見惚れていると

零:なに？

A:えっ

すぐに無表情になる

零:そんなにジロジロ見ないでくれる？

A:あ、ごめん。

零:まぁ、いいや。アンタ面白いから、ちょっとついてきてよ。

A:えっ、なに？

零:黙ってついてきて。うるさい。

A:ハイ…。

着いたのは、中庭だった。静かで涼しい。

零くんは座って目を閉じた

零:なにしてんの？座れば？

零くんは自分の隣をぽんぽんとして座るように促す。

座っていいってことか…

A:ねえ、

零:うるさい。俺うるさいの嫌いなんだよね。

あ、黙っとこ。

30分くらい時間が経った。

スッと零くんが立った。

A:どこ行くの？

零:帰る。アンタ帰らないの？

A:一緒に帰っていいってこと…？

零:別に

(ねえねえ零くん！！)

(うるさい)

仲良くなるにはまだ時間がかかりそうです。

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