よんじゅにー ページ42
°
『ふふっ ネプチューン王。貴方が羨ましいです。』
「…どういう意味じゃもん？」
『生前、うちのじいちゃんが3日も起きないことがあったの。それで、起きた時のじいちゃんと言えば、すっごい笑顔でさ……何の夢を見たの？って聞いたらなんて言ったと思う？』
じいちゃんは、ベッドで横たわりながら、優しく微笑んだ。私じゃない誰かを見るように、頭を撫でた。
”「私の大好きな人の夢さ。もう少し成長するところを見ていたかったな……」”
その時の私は、じいちゃんが死んじゃうんじゃないかとヒヤヒヤしていたが、その後はもう超元気。
『あれは絶対、ネプチューン王の為に言った言葉ですよ。』
「君の祖父も、不思議な体験をするんだな。」
「宗一郎殿……」
王が子どもの時に見たじいちゃんは、まだ若かったらしい。聞けば30歳くらいだとか。
私が思うにじいちゃんは、寝ている間にトリップして、異界に行く衝撃で若返ったんじゃないかって、勝手に考察してる。
「そうじゃもん！少しここで待っててくれ。渡したい物があるんじゃもん！」
『は、はい！』
何くれるのかなー？お菓子？魚人島凄い美味しいお菓子あるし、ワンチャン有り得るかも！
「Aさん…本当に凄い人じゃ。」
『そんなことないよ？私が今ここにいるのも、ジンベエのお陰だし、私はジンベエが思ってるほど凄くない。』
私が白ひげの船に会えたこと自体、奇跡だとも思っている。奇跡に奇跡が重なって、ただ運の良い人間だと私は思っている。
『普通じゃありえないもん。皆と出会えたことを大事にしてるだけだよ。』
「……そうか。」
「待たせたんじゃもん。Aと言ったか…君の祖父が残したものじゃもん。」
そう言って直接、ガラスを扱うように、王が私の目の前に持ってきてくれた。
『これ……ネクタイ？』
「あぁ…海のように真っ青な、いいネクタイじゃ。」
「宗一郎殿が、毎日つけていたんじゃもん。」
私はこのネクタイを、優しく抱き締めた。
『ありがとうございます……大切に残してくれてたみたいで、嬉しい限りです……！！』
「そんなことは無い。それはお主が持っている方が良い。」
ネクタイを、高価そうなタオルで何重にも重ねて、傷つかないように保存していた。
私の祖父は、こんなにも立派な人だったんだ。
『本当に…ありがとう……！！』
久しぶりに感じた祖父の温もりに、また一粒、涙がこぼれ落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 607人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MARE(プロフ) - なんでSANが無くなるんだ、、、 (2021年5月26日 2時) (
レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
あイカ - ﾊﾊｯくらえｯｯ！！"七千枚瓦正拳"ｯｯｯ！…なっ！ﾄﾞｶﾞｯクッ、、、強く、なったじゃねぇか…しゃってぃ…ｶﾞﾌｯこれでお前も…我輩を越えれたな、、、。更新も、、、応援してるぜ……！ファイトｫ！イッパァアアアツ！…！！ (2020年4月30日 22時) (レス) id: fdb03c14d7 (このIDを非表示/違反報告)
しゃるろってぃ(プロフ) - あイカさん» 先輩には適わねぇっす…＿|＼○＿ え、そんなことできるんですか？！！�� 試す価値はありそうですね…！暇極めてるのでお話書きまくってますいつもコメントアザスっっ！！これからも精進します！！五千枚瓦正拳！！ (2020年4月28日 22時) (レス) id: c5bdc26a75 (このIDを非表示/違反報告)
あイカ - よし、三千世界で自分の勝ちっすね()おもろ投票、おもろい事に、なんと、何日か経ってまた星を押すと、何故か投票出来るんですね〜ぐへへへへへ(((あ、これって云って大丈夫なのか…？ま、いいや()更新頑張っ！くらえっ！"ウルトラマリン"！！！ (2020年4月27日 2時) (レス) id: d09843228a (このIDを非表示/違反報告)
しゃるろってぃ(プロフ) - あイカさん» そうなんですお爺様なんです宗一郎は。私も毎回おもうんです。なんで評価ボタンは1度しか押せないのかと。煩悩の数だけ飛ばしましょう。百八煩悩砲だけに…なんつって。…殴っていいですよ(^^) (2020年4月24日 23時) (レス) id: c5bdc26a75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
