黄色くんのギター ページ8
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軽音部の部室は3号館の奥の方にある。
一番最初に行った時にはあっちや、こっちやったか丸と迷ったな。
今日は丸日直やから、俺1人で先に部室に向かう。
こう見えても中学からギターにハマっとったから部活好きやねん。
中に入ると大倉がドラムの椅子に座って、スネアなんかの調整しとった。
軽く挨拶をする。
大倉とは丸を交えてまだ何回かしか会話してへん。
2人になるんは初めてや。
でもこれ、姉ちゃんのこと聞くチャンスちゃうん？
俺は大倉に話しかけた。
｢大倉って昔からドラムやってるん？｣
｢5年くらい前かな？
姉ちゃんが勧めてくれたんや。｣
こっちから出さんでも出た姉ちゃんの話題、
ここは突っ込まな。
｢姉ちゃんおるんや？
歳近いん？｣
｢一個上、あ、オリエンテーションで挨拶しよったのが姉ちゃんやで。｣
｢あーショートカットの？
名前なんやったけ？｣
そこで大倉が少し怪しんだ目に変わったのを俺は見逃さんかった。
こいつ、警戒しとる？
｢…Aやで。｣
｢あー、紹介ん時そんなこと言うてたわ。｣
できるだけ怪しまれへんようにせな。
気を紛らわすため、ソフトケースからギターを取り出して俺もチューニングを始めた。
お気に入りのギター、安く手に入ったから弾くんが毎日楽しい。
そのギター見てまた大倉の目が変わった。
目丸くして驚いとる。
｢そのギター…｣
｢ん？ギターがどうした？｣
｢いや、見たことあるな思って。｣
大倉の視線はすぐにドラムに戻ってた。
それ以上突っ込まれへん雰囲気になってしもうて、俺もギターに集中するしかなくなった。
なんや？気になるやないか…
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月28日 18時
