幼なじみのオレンジくん ページ5
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｢ただいまー｣
｢おかえり、隆平学校どうやった？｣
｢ん、まぁ普通やったよ｣
キッチンで夕飯の支度してる母ちゃんとそんな会話をしてから着替えをしに自分の部屋に移動する。
｢あ、｣
スカート履いてるのに気にせずベッドに足を投げ出して人の漫画読んではるのは
｢りゅーへいおかえり｣
隣の家のAちゃんや。
たまにこっそり窓伝いに俺の部屋に侵入してくる。
危ないから言うて怒るんやけど、窓の鍵を開けてる時点で俺も許してもうてるんやな。
2人の時だけ、りゅーへいって呼ぶんやからずるいわ。
｢Aちゃん、今日なんかあったん？｣
Aちゃんが俺のところに来る時は決まって何かあった時。
辛いことがあった時や癒しを求めてる時。
俺のふにゃふにゃのくせっ毛撫でとると安心するんやって。
｢んーりゅーへい、こっち来て｣
言われるがままAちゃんの元へ行く。
｢ぎゅーっ｣
飼い主が犬にする様な、お母さんが赤ちゃんにするみたいなハグをしてから俺の頭を撫でるAちゃん。
｢やっぱ落ち着くわー｣
｢ほんまAちゃん俺の髪好きやなぁ｣
自分で言ってて空しくなるわ。
好きなところが髪の毛、やなんて。
｢もちろん、髪も好きやけど、それだけやないよ？｣
｢え？｣
｢りゅーへいは優しい｣
優しい、か。
どんなに足掻いても、Aちゃんの心の中に入られへんのはわかっとる。
俺はただの幼なじみ。
せやけど何もしないまま終わりたないやん。
せめてAちゃんがしんどい時、苦しい時1番に癒してあげられる存在でおりたい。
今はそれでええねん。
｢ありがとう
帰るね｣
そう言って天使は自分の部屋に帰っていった。
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月28日 18時
