天使の誘惑(∞) (ページ28)

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黄色くん一旦停止ページ28

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付き合い始めてから、皆に遠慮してるんかA先輩は自分の教室で待ってくれているようになった。

部活を終えて俺はA先輩の教室に向かう。

もう日は沈みかけていて薄暗い廊下。

こんな時間やし誰ともすれ違うことはない。

唯一電気のついているA先輩の待ってるであろう教室はすぐそこ…

せやけど中からはA先輩とは別の人の声が聞こえる。

｢村上先生…？｣

この声は村上先生や。

部活に顔出さんと何してんねんやろ？

俺は開いているドアの隙間からこっそり教室を覗いた。

中にはやっぱり村上先生とA先輩の姿。

向かい合って、深刻そうな雰囲気で話しとる,

もしかしてA先輩、泣いとる？

村上先生にしがみつくみたいにして、わんわん泣いとる。

普段あんなにクールなA先輩が感情むき出しにして泣いてるの初めて見た。

ほんまは2人の間に割って入って、A先輩を助けたかった。

俺、彼氏やしな。

せやけど、次のA先輩の一言で俺は教室に入る勇気も、その場から立ち去る勇気もどっちも失った。

｢見つかったの？
信ちゃんお願い、会わせて。
まだ好きなの、会いたい。｣

誰のことやろうか…

A先輩が俺の事好きになれへん理由は好きな人がおったからってことやろうな。

A先輩をあんな風にさせる人ってどんな人なんやろ…？

振り向かせる。

絶対俺のこと好きにさせる。

って言うたけど、あんなA先輩見てしもうて、俺はそれ以上足を踏み入れていいものか分からくなってしもうた。