オレンジくんと秘密の共有 ページ24
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そう思ってたのに部屋に帰ったらAちゃんがおった。
いつもの様に俺のベッドに横になって漫画を読んどる。
｢あ、おかえりりゅーへい｣
至って普通、そんな態度が余計に俺の頭を混乱させる。
｢今日びっくりしたー？｣
視線は漫画に向けたままこちらを見ずに尋ねてくる。
｢亮ちゃんのことか？｣
｢おん。｣
｢まぁな、あんだけあしらっとったのに気変わったん？｣
｢りゅーへいは口硬いやんな？｣
｢ん？｣
｢こっち来て｣
言われた通りそばに行くとAちゃんは起き上がってベッドに座った。
そして俺に隣に座るように空いたスペースをポンポンと叩く。
座った俺の肩にもたれかかるようにして、コテン、と体を横に倒したAちゃん。
｢あんな、私亮ちゃんと付き合うことになった。｣
｢え？Aちゃん、亮ちゃんのこと好きやったん？｣
Aちゃんはそのまま黙って首を横に振った。
｢私はまだあの人の事忘れられへん。｣
｢ほんならなんで？｣
｢大切なものを守るためかな？｣
｢ちょっ、意味がわからへん。
ちゃんと説明してや？｣
この短時間で驚いたり安堵したり、忙しくて頭の中パニックや。
せやけど、Aちゃんがそれ以上詳しく説明してくれることは無かった。
｢このこと、絶対忠義には言わんでな？｣
｢亮ちゃんと付き合うたこと？｣
｢ちゃう。
私が亮ちゃんのこと好きやないこと。｣
｢…｣
｢私とりゅーへいの秘密やで｣
Aちゃんは、そう言って俺の口に人差し指当てた。
またはぐらかされて、それでも俺はそれ以上強引に聞くことなんかできひん。
ヘタレやから。
亮ちゃんくらいのガッツがあれば、Aちゃんの彼氏は俺やったんかな？
例え気持ちがなくても付き合えてたら何か変わったんやろか…
やり場のない気持ちをぐっと堪えて、Aちゃんの頭をポンポンと撫でた。
Aちゃんは気持ちよさそうに目を瞑った。
その顔に昔から俺は弱い。
明日から亮ちゃんとどんな顔して会うたらええんやろ？
普通に接することが出来るやろか…？
俺の頭の中はグルグルと相変わらず忙しかった。
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月28日 18時
