天使の誘惑(∞) (ページ23)

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オレンジくんはヘタレページ23

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Aちゃんが亮ちゃんと部室を出ていったあと、その場にいたほとんどのメンバーが予想外の事態に呆気に取られとった。

もちろん俺もその一人や。

まさかAちゃんが亮ちゃん待ってるやなんて、誰も想像してなかったやろ？

たっちょんなんて泣きそうな顔してるやん。

｢お前ら早めに帰れよー｣

立ち尽くしたままの俺たちを後目に信ちゃんが部室を出ていった。

信ちゃんは大人や、切り替えが早いのか？

｢おい大倉、お前は一緒に帰らんでええんか｣

たっちょんに追い討ちをかけるように声をかけてきたんは渋谷先輩や。

この人はAちゃんが連れてきはった人で、クラスも一緒や。

｢俺はええんです｣

絞り出すような弱い声だたっちょんが返す。

そのまま何も言わんと部室出てってもうた。

今は追いかける感じちゃうな。

長年の付き合いでたっちょんのことはようわかっとる。

俺は少し遅れて部室を出た。

それにしても俺の頭の中はAちゃんと亮ちゃんの事でいっぱいやった。

2人は一緒に帰って何しとるんやろうか…

聞きたいけど聞かれへん。

俺はヘタレやからな。