天使の誘惑(∞) (ページ14)

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黒先輩と軽音部ページ14

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たまには軽音部にも顔出さなな。

剣道部に熱を入れすぎて、最近、兼部している軽音部に全然顔を出していなかったのをAにぶーぶー文句言われていた。

今日はたまたま時間が出来たから行ってみよう思って3号館やってきた。

｢お疲れさん｣

｢あ、先輩お疲れ様です｣

中には1年が何人かおった。

どれがAの弟や？

俺は自然とそいつを探しとった。

ドラムやってる言うてたからおそらくこいつやな。

ドラムの近くにいた背の高い1年。

せやけどAの可愛がってる弟であろうこいつは、Aと全然似てへん。

間違えたかと思うたくらいや。

｢なんですか？｣

俺があまりにも見ていたもんで怪しく思ったんか、向こうから話しかけてきた。

｢あ、いや。
なんでもあらへんよ。
君、大倉くん？｣

｢そうですけど～なんで知ってるんすか？｣

あかん、ますます怪しまれてもうたな。

｢あ、俺な、姉ちゃんと知り合いやねん。
横山っていったらわかる思うわ。｣

｢横山先輩…知ってますよ？
生徒会長ですよね？｣

｢せやで。
一応軽音部やからよろしくな｣

大倉は軽く会釈するとまた視線をドラムに戻した。

今日はAは来おへんみたいや。

なんやちょくちょく来とるとは言っとったけど、少し期待してたんやけどな。

この部屋で初めてAが俺に話しかけて来た時のことをふと思い出した。