渋谷くん ページ7
.
3日ほど前から、うるさいのが私にまとわりついている。
｢あー、甘いもん食いてぇな。
チョコとかチョコとかチョコとか！！！｣
今日も私の前の席を陣取り、後ろを向いてこんな感じでずっと話しかけてくる。
｢なんやねん！
食べたかったら食べればええやろ？｣
｢ちゃうねん。
ただのチョコじゃあかんねん。｣
彼の名前は渋谷すばる。
小学校からの同級生。
昔からウマが合ってよく一緒にいるのだけど、彼はとてもモテる。
チョコなんて、頼まれなくても沢山貰ってくるくせに、毎年バレンタインが近くになるとこうやって私にアピールしてくる。
わかっていた、すばるが私のことを好きなのは。
だけど私は恋愛に興味ないのだ。
ましてや平和に学生生活を送りたいのにすばると付き合ったらきっと色んな女子の標的になるに違いない。
それだけはごめんだ。
だから毎年上手く交しながらここまできた。
すばるもよく諦めずに毎年言ってくるよな。
そんなこんなであと3日でバレンタイン。
もちろん、今年も私はすばるにチョコなんて用意していない。
毎年の事だし。
すばるはいつも拗ねるんだけど、次の日にはケロッとしてるから。
今年も同じパターンになるだろうと思っていた。
｢Aってすばるとどういう関係なん？｣
そう尋ねてきたのは日直が一緒になった岡崎くん。
彼とは同じクラスだけどほとんど接点はなくて、いきなりこんな事を聞かれて驚いた。
放課後、日誌など雑務を済ませている時だった。
｢すばる？あーただの友達やで。
小学校から一緒やねん。｣
｢そうなんか。
せやったらAちゃんは今フリーなんやな？｣
どうしてこんなこと聞いてくるのだろう…？
不思議に思ったけど、特に気にすることも無く、私は書きかけの日誌を書き終え、筆箱にペンをしまっていた。
｢せやで。
今は彼氏とかいらん。｣
｢ふーん。
せやったらさ、すばるが毎回あんな風に言うてくるの嫌なんちゃう？
俺、協力しようか？｣
確かに、ずっとまとわりつかれるのはいい気はしない。
だけどどうやって？
｢俺とさAちゃん、付き合うてるふりすればすばるも諦めるんちゃうん？｣
そういうことか。
私に彼氏が出来たとなればすばるも諦めてくれるのかな。
私は悩んだ結果、岡崎くんの作戦にのることにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神八爽蘭(プロフ) - やまーさん» 教えていただきありがとうございます！非公開になってました(;_;)すみません。 (2020年2月14日 22時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
やまー(プロフ) - 渋谷くんの5が抜けてると思います！間違ってたらすみません… (2020年2月14日 22時) (レス) id: a2a6af1ebe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月12日 23時
