錦戸くん ページ31
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3年生の錦戸先輩。
｢なぁ、Aちゃーん｣
かっこよくて歌も上手くて人気者。
｢おーいって！｣
特に女子からの人気は絶大。
だけど皆が皆、あなたのこと好きになるなんて思ったら大間違いなんだからね！
ひょんなことから学校一のモテ男、錦戸先輩に好かれてしまった。
あれは入学してまもない頃。
まだ学校の中のことがよくわかっていなかった私は、若干迷子になっていた。
私は昔から重度の方向音痴で、場所を覚えるのが大の苦手。
その日も購買の場所が分からずうろうろしていた。
そこに声をかけてきてくれたのが錦戸先輩だった。
この人の顔は見たことがあった。
いつも周りに人がいて、そばを通ると女子たちがキャーキャー言いながら振り返る。
学校一のモテ男、錦戸先輩。
一方でこんな噂も耳にしていた。
"錦戸先輩は女癖が悪いから注意しろ"
錦戸先輩の周りにはいつもたくさんの女の子がいて、取っかえ引っ変え、その日の気分で特定の彼女は作らない。
だけど狙った女は必ず落とす。
それをわかっていながらも1度ハマって抜け出せなくなって泣かされた女子が沢山いるらしい。
｢自分どうしたん？｣
だから錦戸先輩に話しかけられた時、嬉しい気持ちよりも警戒心の方が大きかった。
私はチャラチャラした人が大の苦手なのだ。
｢あ、購買に行こうかと思っていて…｣
｢購買の場所わからへんの？｣
｢…はい｣
｢ふーん、そしたら俺も今行くところやし、一緒に行こ｣
錦戸先輩はあっちやでと少し行ったところを右に曲がる。
私もそれに2歩くらい下がってついていった。
恐る恐る足を進める。
｢あ、そう言えば名前は？｣
｢Aです。｣
｢下の名前は？
てか後ろすぎひん？｣
話しかけた私が横にいなかったことに驚いて、振り返った錦戸先輩。
パタパタと後ろに下がって隣にやってきた。
それから私の方を見て、優しい笑顔で
｢下の名前、教えて。｣
って言ってくるもんだから一瞬目の前がクラっとした。
これが学校一のモテ男の必殺技か、と。
｢Aです。｣
｢Aちゃんなー、俺は錦戸亮。
よろしく。
あ、ついたで。｣
｢ありがとうございます！｣
｢またな、Aちゃーん。｣
その時はあんまりにさらっと別れたので、あの噂は嘘なんだって思ってた。
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神八爽蘭(プロフ) - やまーさん» 教えていただきありがとうございます！非公開になってました(;_;)すみません。 (2020年2月14日 22時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
やまー(プロフ) - 渋谷くんの5が抜けてると思います！間違ってたらすみません… (2020年2月14日 22時) (レス) id: a2a6af1ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月12日 23時
