Happy Valentine(∞短編集)

丸山くん ページ19

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隣のクラスの丸山くん。


1年の1番最初の席が隣同士だった。


人見知りな私に、毎日笑顔で話しかけて笑わせてくれる彼にいつの間にか恋をしていました。









｢Aちゃーん！｣


今日も教室の入口から大きな声が聞こえる。


私の好きな人。


と同時に少し教室がざわめく。



｢丸ちゃんや〜｣


｢やっぱりかっこええな〜｣






そう、彼はモテる。
とにかくモテる。


女子にも男子にも、はたまた赤ちゃんにも、おばあちゃんにも、散歩中の犬にもモテる。


彼は天性の人たらしなのだ。


彼が笑顔で挨拶しようものなら皆彼の虜になってしまう。(とまでは言い過ぎかもしれないけど、あくまで主観。)









そんな彼がどうして私の名前を呼んでいるかって？


それは、そう









｢Aちゃん！次な、日本史やねん。
教科書忘れてもうたから貸して？｣









教科書を借りるためです。

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