錦戸くん6 ページ36
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｢なかなか会われへんでごめんな？｣
｢いえ、別にこっちは平和でした｣
あれだけ錦戸先輩に会いたかったくせに本人を前にすると素直じゃなくなってしまう。
｢なんやのもう、少しは寂しかったかな思うた｣
なのに、錦戸先輩がいつもの様に変わらずここにいてくれることにすごく安心している自分がいて
気づいたら涙が溢れて止まらなかった。
｢え、ちょっと、なんで泣いてるん？
俺なんか悪いことした？｣
｢…っ｣
｢泣かんといてやー？
どうした？
そない寂しかったんー？
って違うか！｣
錦戸先輩は自分にツッコミを入れながら制服の袖で私の涙を拭ってくれた。
｢そうですよ！
寂しかったです！
いきなり会いに来なくなったら寂しなるやないですか！｣
｢それほんまなん？｣
｢全然会われへんからもう嫌われたかと思うた。
もう私に興味なくなったんかと思うた。
そしたらすごく寂しくて｣
｢Aちゃんそれって、たぶんやけど俺の事好き言うことやない？｣
｢…悔しいけど認めます｣
｢ほんま？｣
｢はい｣
｢やっばーめっちゃ嬉しい！｣
錦戸先輩はにっこにこの笑顔で私の事を抱きしめた。
｢あんなー、会われへんかったのはな理由があんねん。｣
1週目は受験を受けに行って、2週目はインフルで学校をお休みしていたと話す錦戸先輩。
なんだ、私に飽きたからじゃないんだとほっとしていると
｢俺かてめっちゃ会いたかったんやで？
でもおかげでこうしてAちゃん振り向かすことできたからええかな。｣
って私を抱きしめながら話す。
｢あの、いつまでこのままなんですか？｣
｢えー嫌なん？
さっきあんなに寂しい言うて泣いとったやん｣
｢恥ずかしいです｣
｢そんなん関係あらへん｣
｢このままじゃ渡せません。｣
｢何を？｣
｢チョコ、いらないんですか？｣
｢Aちゃん、俺にチョコレート作ってくれたん？｣
錦戸先輩はすぐに腕を離してくれた。
私はバッグの中からチョコレートの箱を取り出し、遠慮がちに渡した。
それとは裏腹にハイテンションな錦戸先輩。
｢Aちゃんからのチョコや、めっちゃ嬉しい！
もちろん本命やんな？｣
｢ご想像にお任せします｣
｢Aちゃん好きや｣
｢私も、そうみたいです。｣
素直じゃない私と素直な錦戸先輩。
二人の気持ちはやっと結ばれて、そして恋はまだ始まったばかり。
〜fin〜
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神八爽蘭(プロフ) - やまーさん» 教えていただきありがとうございます！非公開になってました(;_;)すみません。 (2020年2月14日 22時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
やまー(プロフ) - 渋谷くんの5が抜けてると思います！間違ってたらすみません… (2020年2月14日 22時) (レス) id: a2a6af1ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月12日 23時
