村上くん5 ページ17
.
悩んだけどちゃんと作っておいて本当によかった。
家に入るとキッチンでお母さんが晩御飯を作っていた。
｢おかえりー遅かったやないの｣
｢ごめん！今日色々あって、今信ちゃんいるねん！
チョコ渡してくる｣
｢あ、冷蔵庫のな、あんた忘れたんかと思ったわ。
信ちゃん来てるん？｣
｢うん。家の前にいてくれてる！
行ってきます！｣
家の外に出ると、信ちゃんはお願いした通り待ってくれた。
自転車を立てかけ、スマホを弄っていた。
｢どうしたんや｣
｢これ。｣
私は信ちゃんに作ったチョコレートを差し出した。
いつもクリクリな目が更にまん丸になって、驚いた様子の信ちゃん。
｢作ってくれたん？｣
｢うん。喧嘩中やったし、迷ったんやけどせっかく材料買ったしって思って作った。｣
｢おおきに｣
たった一言だけだけど信ちゃんは八重歯を見せて嬉しそうに笑って、チョコレートの箱をバッグにしまった。
｢勢いで作ったから不味いかもしれへん！
そしたら無理に食べへんでええからな｣
｢ほんま最後までお前は…｣
信ちゃんは呆れた様子で私を抱きしめて耳元でこう言った。
｢たとえ不味くてもお前からもらうチョコが一番嬉しいんやで｣
｢…｣
しばらく抱きしめられたまま、そうしているとガチャっと玄関が開いた。
私たちは慌てて離れる。
｢Aーご飯やで！
あら、邪魔してもうた？｣
ドアを開けたお母さんが嬉しそうにニヤニヤしている。
確信犯だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神八爽蘭(プロフ) - やまーさん» 教えていただきありがとうございます！非公開になってました(;_;)すみません。 (2020年2月14日 22時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
やまー(プロフ) - 渋谷くんの5が抜けてると思います！間違ってたらすみません… (2020年2月14日 22時) (レス) id: a2a6af1ebe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月12日 23時
