隣の甘い誘惑(紫)3

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だからAちゃんの幼馴染の康二が現れた時一瞬だけ、動揺した。

Aちゃんにはバレてないだろうけど。


康二は人懐っこいやつですぐに仲良くなれた。

わかりやすいくらいAちゃんに好意を向けているのに本人には気づかれていない。

はじめに俺に警戒心を向けていたのもそういう気持ちがあってのことだろうな。


なんで俺は自分以外の人の気持ちにこんなにすぐに気づいちゃうんだろうな。

本当はAちゃんの気持ちだって薄々気づいてる。

俺は気づいてて利用してる最低な男だ。

だからわざと彼女の気持ちを乱すようなことをして反応を伺ったりしてしまう。

ヤキモチやいてるところもかわいくて、それを悟られないように下手くそな笑顔を浮かべるところもかわいくてしかたない。

でも俺にとってAちゃんと話すベランダでの時間はすごく大切なものになっていたから、このまま核心をつくことはしたくなかった。

だって、彼女の気持ちを聞いてしまったらこの関係は終わる。

それは今までの経験で分かっていたから。

Aちゃんの気持ちを聞くまでは大丈夫。

だからダメだ。俺たちは絶対に一線を超えない。

でももっと彼女と仲良くなりたい、知りたい。

そういう気持ちも同時に芽生え始めていた。

自ずと彼女のことを考える時間が増えた。

せっかく女の子を部屋に呼んでいたのになんか気分が乗らなくて早めに帰したりして…

そういう時に限ってAちゃんが康二を部屋に呼んだりなんかしてるからさ、気になって…

俺の予想が間違ってるんじゃないかって焦る。
俺は今までAちゃんが自分のことを好きだからって思って安心してたのかも。

だから康二とどういう関係なのか聞こうとしたら逃げられた。



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