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私の部屋に入ったラウールは珍しいものでも見るみたいにあちこちに視線を動かした。
そんなラウールに部屋の隅に畳んでおいた布団を見せながら問いかける。
｢ねぇ、布団これしかないんだけど大丈夫？｣
｢えー、ベッドで一緒に寝ようよ？｣
｢だめ。私のベッド狭いから。
布団じゃ寝心地悪かったらラウがベッド使って？｣
｢そういう問題じゃないんだけどな〜｣
昔は同じベッドでよく寝てた。
まだ小さいラウが枕を抱えて私のベッドに来るの、すごく可愛かったな。
でも今はもうラウールもこんなに大きくなって、立派な大人なんだから一緒に寝るのは少し抵抗がある。
一方でラウールはそんなこと全然気にしてないみたい。
｢アメリカはどうだった？｣
｢楽しかったよ。
でも早く日本に帰りたかった｣
｢なんでよ？｣
｢だってAちゃん会えなかったから。｣
｢ほんと、ラウはかわいいなぁ。
よし、夕飯ラウの好きな物作ってあげる。｣
｢ほんとにー？やったー！｣
好きな物作るとは言ったものの冷蔵庫の中身は悲惨なもので、買い物に行かなきゃ作れない。
それを思い出し、ラウールに一言断りを入れて近くのスーパーに行くことにした。
アメリカから帰ったばかりで疲れているであろうラウールにはさっき買ったお菓子でも食べてゆっくり過ごしてもらおう。
私はエコバッグとお財布とスマホだけを持って家を出た。
時間的にスーパーにはそれほど人がいなくて、スムーズに買い物をすることが出来た。
今日のメニューは唐揚げ、ラウールの大好物だ。
早く帰って作ってあげたいと思うと自然と足は速まる。
だけど運悪く信号が赤になってしまい、しばらくの間足止めをくらう。
ここの信号は青になるまでが長い。
早く信号変わらないかな…
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作者名：カフ
| 作成日時：2022年10月11日 21時
