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｢おいAとなべ何してんだよ！
お前らも早くこっち来いよ！｣
突然呼ばれてふっかの元へ行くと、着ていたパーカーごと腕をくいっと掴まれた。
ぐっと距離が近くなってうるさい胸の鼓動が聞こえてしまわないか心配になるくらい。
だけどふっかは何も気にしていないようでいつもと変わらないトーンで話しかけてくる。
｢なんでパーカー着てんの？｣
｢いやなんか恥ずかしくて…｣
｢まぁ確かに、着といた方がいいかもね。｣
あんまり遠く行くなよ。
それだけ言ってふっかは海の方にかけていった。
その先には可愛らしいフリルの着いた水着を着た真実ちゃんがいる。
なんなの…
私の水着は見たくないってこと？
真実ちゃんには可愛いって言って、私には言ってくれないんだ。
別に言って欲しくて着たわけじゃないけど、やっぱり好きな人には言われたいじゃん、可愛いって。
苦しくて涙がこぼれた。
｢もうやめよっかな、｣
｢どした？｣
遅れてきたしょっぴーが心配して顔を覗き込んできた。
しょっぴーに見られないようにさっと涙を拭う。
｢この旅行終わったらふっかのこと諦める。
もうやめたい、しんどい。｣
｢Aはほんとにそれでいいの？｣
私はしょっぴーを見ずに小さく頷いた。
｢だからこの旅行は思いっきり楽しむ。
心配かけてごめんね。
私はもう大丈夫だからしょっぴーは頑張って！｣
そう言ってしょっぴーを見ると驚いて目を丸くしていた。
俺の気持ちに気づいていたのか…?と言わんばかりに。
気づかないわけないじゃん。
どれだけ2人のそばにいたと思ってるの？
まぁふっかみたいに人の気持ちに全然気づいていないやつもいるけど。
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2021年1月13日 20時
