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温泉なんて普段なかなか浸からないからそれはもうほんとに最高だった。
毎日入りたいくらい。
明るかった空がどんどん暗くなっていく。
時間を気にしながら浴衣に着替え髪乾かしていると、隣の真実ちゃんが化粧を始めた。
びっくりしていると
｢まさか先輩すっぴんで戻るつもりですか？｣
真実ちゃんも驚いてアイブロウペンシルを持った手を止めた。
｢こういう時はすっぴんメイクですよ？
わかります？
軽くお化粧するの！｣
そう言いながら呆れたように私の方に体を向け、自分のメイクそっちのけで私の顔に触れる真実ちゃん。
私は呆気に取られて身動きすら忘れてやられたい放題。
真実ちゃんが言葉とは裏腹な優しい手つきで私にメイクを施していく。
｢でーきた！
これくらいしないとー女子だけじゃないんだから｣
鏡を見るとナチュラルなメイクをした自分が映っていた。
ライバルに普通こんなことできる？
目黒くんの好きな子だもん、思ってるほど悪い子じゃないのかも…
｢ありがとう｣
｢いいえ、勝負するなら正々堂々したいので｣
強気だなぁ。
苦笑いを浮かべながら持ってきたクリップで髪を束ねた。
当然男子の方が早く上がっていて浴衣姿でくつろいでいる。
こうやって改めて見ると3人とも顔がいい。
浴衣似合ってる。
目黒くんについてはわからないけど、ふっかとしょっぴーはうちの大学でも人気だもん。
そんなふっかのこと好きになったって高望みもいいところだよな、と改めて思う。
仲良くしてもらえてるだけで十分なのかも。
男子の部屋で夕飯までの時間を過ごし、1回にある食堂に向かった。
花火大会の時間に合わせるため予定より少し早めの夕食。
花火大会に行くのにすっぴんで出ようとしてた私やばいよねって今更になって思う。
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2021年1月13日 20時
