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あれよあれよという間に月日は流れ、旅行当日。
しょっぴーかレンタカーを借りてくれたみたいで、朝駅に集合することになった。
結局、この旅行に参加するのは私と冴希とふっかとしょっぴー、そしてふっかたちのサークルの後輩の真実ちゃんと目黒くんって子らしい。
｢イケメンだから惚れんなよ｣
ってこの前ふっかに言われたけど自分だって真実ちゃんにデレデレしてたじゃん。
なんて文句の一つや二つ言ってやりたかったけど結局本人目の前にそんなことは言えず、ただ頷いた。
冴希と待ち合わせ場所に向かうと既にしょっぴーがレンタルしたワゴン車の前に立っていた。
隣にはモデル並みにスタイルのいいイケメンがしょっぴーと親しげに話している。
おそらくあれが目黒くんか。
確かめるように目黒くんを見ていると、しょっぴーが私たちに気づいて小さく手を挙げた。
その行動に私たちが来たことがわかった目黒くんはこちらに小さく会釈した。
ふっかの言っていた通り確かにイケメン。
これは大学の女子たちが放っておかないだろう。
なんなら顔はふっかよりタイプ。
こんな時でも比べてしまうのはふっかしかいない。
私はなんでふっかのことが好きなんだろう？
ちゃらいし、いい加減だし、鈍感だし…
いくら悪い所を数えてもたった一つの好きな所がそんなのどうでも良くさせちゃうんだよ。
そんな意味の無い事を考えていると遠くの方からふっかの声が聞こえてきた。
一際耳につく彼女の声と一緒に。
｢お待たせー｣
｢おはようございます！｣
｢お前ら一緒に来たのかよー｣
｢そうなんです！
約束してたんですよねーふっか先輩｣
｢え、そうだっけー？わら
まあ、同じ方向だしね。｣
二人の会話を聞いて隣の冴希は明らかにイラッとした表情を見せる。
それを見た私は慌てて冴希の腕を突き
｢冴希！顔！｣
と耳元で注意した。
｢だってー！
ムカつくんだもん！｣
私以上に腹を立ててくれる冴希にありがたさを感じながらも私は完全に自信をなくしていた。
もうこの旅行が私にとって苦痛なものであることは間違いない。
好きな男が目の前で別の女の子とイチャイチャしてるの見せつけられなきゃならないんだから。
ある意味拷問だ。
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2021年1月13日 20時
