5 ページ5
.
真実ちゃんがバスルームに着替えに行った隙に冴希と私は腐れ縁なので部屋で着替える。
隣で着替えている冴希が少しだけ距離を縮め小声でこう言った。
｢あの子、めっちゃ曲者だよ。
気をつけなきゃほんとに取られちゃうからね！｣
｢…わかってるよ｣
真実ちゃんが強敵だってことくらい。
しかもこの状況で水着とか、ほんとに憂鬱。
真実ちゃんは服の上からでも分かるくらいスタイルいいし、水着は可愛い。
一方で私は可愛げのないシンプルな水着。
フリルとかの装飾が着いたものもあれこれ試したけど結局似合わないからとやめてしまった。
ふっかは絶対、真実ちゃんみたいなのがタイプだよな…
はぁ…とため息をついた。
準備が整って隣の男子部屋に行くとちょうど3人も終わったところだったみたい。
海までは目黒くんが運転してくれるみたいで、助手席に座った冴希は心做しか喜んでいた。
後ろは…たぶんふっかと真実ちゃんがまた隣だよね。
なんて思っていたら
｢はい、真実ちゃん今度は俺と隣ね〜｣
って真実ちゃんの手を引いてしょっぴーが3列目に乗り込んだ。
真実ちゃんは驚いて、それでいて名残惜しそうにふっかを見たが抵抗することなくしょっぴーに続いた。
私の気持ちを知ってるしょっぴーが気を遣ってくれたんだろうな。
必然的に私とふっかが2列目に座ることになったわけで、予想もしてなかった展開にドキドキしてたら
｢ほら、乗るよ？｣
ってふっかが私の背中を軽く押した。
海まで車で10分。
この10分がとてつもなく長く感じる。
緊張とドキドキとで心臓が破裂しそうだ。
｢そう言えば今日近くで花火大会あるっぽいよ｣
隣のふっかがスマホを見ながら話し出した。
検索ページを私に見せてくる。
それを横取りするように後ろから顔を出してきた真実ちゃん。
｢そうなんですかー？
真実行きたいー！｣
こういう時だけ一人称名前にする真実ちゃんって相当あざとい。
後ろから2列目の背もたれに肘を着いてふっかに話しかけてる。
そのせいでふっかと私の間は真実ちゃんによって遮られることになる。
せっかく隣になれたのにこれじゃ真実ちゃんの方が距離近いじゃん。
｢それじゃあ夕飯食ったらちょっと行ってみよっか？｣
ふっかも満更でもなさそうにニコニコしながら答えるからさっきの安堵の気持ちはいとも簡単に消え去った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2021年1月13日 20時
