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それなのに…
しばらくしてまたかかってきた電話。
｢涼太？｣
｢何かあった？｣
優しい声が私の心をかき乱す。
そんな風に心配されたら会いたくなっちゃうよ。
涼太に触れて、涼太の想いは私に傾いてるって確認したくなってしまう。
なんて簡単に会えるわけないのに。
｢…最近忙しかったから疲れてるのかも。
心配かけてごめん。｣
｢そっか。
俺こそごめんね、なんか気になっちゃって。
今日はゆっくり休んで。｣
ほらね、やっぱり来てくれない。
淡い期待はすぐに消えた。
イヴは一際デパートが賑わう。
今頃2人も楽しんでるのかな…ため息がこぼれる。
仕事が終わったら予定があるらしい同僚がウキウキしているのを横目に無心で仕事を進めた。
私は家に帰っても誰もいないし、誰かと過ごす予定もない。
仕事帰りそのまま職場のデパ地下で適当にお惣菜を買った。
買い物袋をぶら下げてアパートに帰る。
寒さに震えながらバッグから鍵を取り出した。
かじかんだ手に息をふきかけながら自分の部屋の前に近づくとドアの前に人影が…
ドアに寄りかかったまましゃがみこんでいるその人から白い息が漏れる。
嘘でしょ…なんで。
｢…涼太｣
そこには彼女とデートしているはずの涼太がいた。
私を見つけるなり笑顔で
｢おかえり｣
なんて言うから拍子抜けして持っていた袋を地面に落としてしまった。
涼太は立ち上がって落ちた袋を拾うとすぐに私を抱きしめる。
｢今年のクリスマスはどうしてもAと過ごしたくて来ちゃった。｣
｢…ずるい｣
｢ずるくてごめんね｣
涼太は私を強く抱き締めながら頭を撫でた。
｢…別れてきた｣
｢え…｣
｢待たせてごめん。
これからもたくさん苦しい思いさせるかもしれない。｣
｢うん｣
｢手放しで幸せになれないのはわかってる。
Aだって職場で居づらくなっちゃうかも…｣
｢でももう自分の気持ち誤魔化しきれないよ。
Aが大事なんだ｣
｢…｣
｢愛してる。
もし許して貰えるなら、一緒にこの罪を背負って欲しい｣
｢涼太、私平気だから。
愛してる｣
想いを伝えると私たちは唇を重ねた。
涙の味のするしょっぱい口付けはいつもよりも優しくて愛情がこもったものだった。
2人きりでの初めてのクリスマス、何も無いけど涼太が隣にいてくれるだけでこんなにも幸せなの。
この先どんなことが待っていても受け入れる覚悟は出来てる。
だから今だけは涼太のこと考えさせて。
end
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神八爽蘭(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！snowman皆ほんと素敵ですよね(^^)楽しんでいただけたようで嬉しいです。 (2021年1月1日 12時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です完結おめでとうです (2021年1月1日 11時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年12月25日 18時
