2 ページ22
.
行き交う人々の中で一際スタイルのいい男の子がソワソワしながら立っている。
時々通り過ぎる女子が見とれていたり、きゃっきゃと噂しながら彼を見ている。
｢…蓮くん。｣
間違いない。
あの人が私の初恋の人、目黒蓮くんだ。
18歳になった蓮くんは、私が想像したよりもずっとかっこよくて素敵になっていた。
蓮くんは約束通り私に逢いに来てくれたんだ。
10年後のクリスマス、なんて曖昧な約束なのに、私が来るかも分からないのにちゃんと来てくれた。
嬉しさと同時に不安な気持ちがどんどん大きくなる。
あんなかっこいい人に私なんか不釣り合いだよ。
いっその事このまま会わない方がいいのかもしれない。
そしたら蓮くんの中の私は10年前の素敵な思い出のまま。
きっとその方がいい。
｢で、そのまま帰ってきちゃったんだ？｣
次の日朝から机に突っ伏している私を見かねて友人が声をかけてきた。
昨日のことを伝えると深いため息をついて呆れた様子。
そうだよね。
せっかく10年も想い続けてた人と会えるっていうのに怖気付いてすっぽかして帰ってきちゃうんだもん。
でもほんとにかっこよかったんだもん。
自信なくしちゃうよ。
｢Aさ、その蓮くんのこと10年間も想い続けてたんだよね？
蓮くんも来てくれたってことは同じ気持ちなんじゃないの？｣
｢…｣
｢会ってみないと何も分からないじゃん！
せっかくのチャンス無駄にして欲しくない。｣
｢…でも｣
｢クリスマスはまだ終わってないでしょ？
今日ももしかしたら蓮くん来てくれてるかもよ？｣
絶対に会った方がいい。
そう言って背中を押してくれた。
放課後、また私は時計台に向かった。
とはいえ自信が急に生まれるわけないからマスクにサングラスをして、とりあえず昨日と同じ物陰に隠れてそっと時計台を見る。
しばらくそうしていたけれど、蓮くんの姿は一向に見えなかった。
やっぱり…昨日私が行かなかったからすっぽかされたと思って来なかったんだ。
自業自得だって分かってるくせに肩を落とす。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神八爽蘭(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！snowman皆ほんと素敵ですよね(^^)楽しんでいただけたようで嬉しいです。 (2021年1月1日 12時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です完結おめでとうです (2021年1月1日 11時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年12月25日 18時
