初恋の人 ページ21
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10年後のクリスマス、ここで待ち合わせよう。
絶対にAのこと見つけるから。
私にそう言ってくれた初恋の彼は、新学期には学校にいなかった。
父親の転勤で遠くの街に引っ越したらしい。
笑顔の素敵な彼は今どこで何をしているだろうか…
急な転校で連絡先を聞く余裕さえなかった。
私の心の中には今でもずっと彼がいる。
彼と会える唯一の方法は10年後、つまり今度のクリスマスにあの場所に行くこと。
私は18歳になった。
高校3年の冬受験シーズン真っ只中だけど、今日だけはみんな特別で、デートしたり友達とパーティーするって話が教室中で聞こえる。
皆ウキウキしている。
クリスマスは人の気持ちを明るくしてくれる素敵な日だ。
大人になった彼はどんな風になったんだろう？
これまでも色々な想像をふくらませてきた。
最後に会った彼は、すごくかっこよくて笑顔が素敵だった。
そして何より握られた手の温もりが優しくて暖かくて忘れられない。
きっと彼のことだからそのまままっすぐ素敵な彼に育ってることだろう。
一方で私はどうだろうか…
もしも彼が思い描いていた私と違ったら…？
Aなんか可愛くなくなったって思われたら…？
急に不安になって手鏡を見ながら前髪を直した。
今更できることといえばこれくらいしかない。
｢A、今日会いに行くんでしょ？
初恋の彼に｣
私の話をずっと聞いてくれていた友人がにやにやしながら聞いてきた。
｢なんか自信なくなってきた｣
｢大丈夫だって！
ちゃんと約束したんでしょ？｣
｢うん。
彼が覚えてればの話だけど…｣
そうだよね。
10年前の約束なんて、覚えていない可能性もある。
それにこの10年の間で彼も恋愛して彼女がいるかもしれないし…
色々考え出したらキリがない。
ネガティブなほうにいくばかりだ。
｢そんなに怖いならとりあえず変装して遠くから様子みてみれば？｣
と彼女が言った。
そして放課後、彼女の言っていた通りマスクにサングラスをし、帽子を深めに被って待ち合わせ場所に向かった。
大きな広場の中央辺りに白い時計台がある。
10年前から変わりなく立っているその時計台が私と彼の待ち合わせ場所の場所だ。
着いたはいいけどやっぱり不安で、私は恐る恐る物陰から時計台を覗いた。
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神八爽蘭(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！snowman皆ほんと素敵ですよね(^^)楽しんでいただけたようで嬉しいです。 (2021年1月1日 12時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です完結おめでとうです (2021年1月1日 11時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年12月25日 18時
