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目黒くんの淹れてくれたコーヒーが手の中で冷めていく。
とりあえず気持ちを落ち着けるために私は足を進めた。
たどり着いたのは屋上。
ここにはいくつか思い出がある。
入社したての頃翔太とよく話したこと。
あの頃もこんな風にコーヒー飲みながら仕事とかプライベートの色んな話したっけ。
今ならまたあんなふうにたわいもない話ができる気がする。
それから深澤さんと少しだけ仕事サボったりした。
あの時深澤さんが突拍子もないことを言い出すから冷たくあしらっちゃったんだ。
今思えばあの頃からちゃんと深澤さんは私に気持ちを伝えていてくれたのに。
｢…はぁ｣
思わずため息が零れた。
今にも雨が降りそうな空、ジメジメして暗くてこの時期の空は嫌い。
｢やっぱり、ここにいた。｣
｢…なんでっ｣
ガチャッとドアが開く音が聞こえて振り向けばそこには深澤さんの姿が…。
少しだけ息を切らしていて、それを整えながらゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
私は驚いたまま動くことも出来ずに立ち尽くしていると私の元にやってきた深澤さんに強く抱きしめられた。
久しぶりに包まれた深澤さんの胸の中は言葉にできないくらいの安心感でいっぱいで、緩んだ涙腺から涙がボロボロと零れ、深澤さんのワイシャツを濡らす。
抑えていた感情がダムが決壊したみたいに溢れて止まらない。
抱きしめられただけでこんな風になっちゃうなんて、私はもう心底この人のことが好きなんだ。
｢A…
俺、やっぱりAのこと好きなんだ。
なのに避けてごめん。｣
｢…私も、深澤さんのこと好きです。｣
やっと言えた。
好きな人に好きって言えるだけでこんなにも心が満たされるなんて知らなかった。
｢バカだよな俺
Aにいっぱい辛い思いさせた。｣
そう言うと私の肩に手を置いて少しだけ距離を取った深澤さん。
今度は私の目を見つめてくれた。
｢だけど許してもらえるなら
俺と付き合って欲しい。
ダメかな？｣
その瞳が一瞬不安げに揺れる。
深澤さんは口をきゅっと噤んで私の返事を待っている。
もうこんな辛い顔させたくない。
だから私は深澤さんをしっかりと見つめて言った。
｢…私を深澤さんの彼女にしてください。｣
私の返事を聞くと深澤さんはまた私を抱き寄せた。
そして片方の手で私の頭をぽんぽんと撫でる。
久しぶりに頭を撫でられて、やっぱりこの人がいいなって改めて実感する。
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カフ(プロフ) - namanaさん» コメントありがとうございます！もどかしいですよねヽ(；▽；)ノこれからも楽しんで貰えるよう頑張ります！ (2021年1月23日 10時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
namana(プロフ) - ちょっと、ふっか黙って話を聞いてほしい！！笑 更新楽しみにしてますね(*´｀*) (2021年1月22日 18時) (レス) id: b11e04c615 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カフ
| 作成日時：2020年12月12日 12時
