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翔太が去り、1人残されたオフィスでぼーっと外を眺めていた。
この辺りはオフィス街なので今くらいの時間は灯りのついている建物はそう多くはない。
翔太が淹れてくれたコーヒーもいつしか冷めきってしまった。
まだ半分も飲んでいない。
それを一気に飲み干して、私はオフィスから出た。
歩きながら深澤さんにメッセージを送る。
A:明日、ちゃんと話がしたいです。
きっと今日の感じだと電話したって出ないだろうから、明日直接会って話そう。
そして、好きだって言う。
決めた。もう揺らがない。
すっかり暗くなった街の中を歩いて帰った。
次の朝、彼が私を避けてギリギリに出社するのは織り込み済み。
だから決めていた。
話すのは仕事が終わってから。
それまでは仕事に集中する。
隣の目黒くんも昨日言ってくれた通り、普通に接してくれた。
彼の中でだいぶ無理しているのかもしれないけど、それを表に出さないようにしてくれていることに感謝してる。
「深澤さん」
と名前を呼べばわかりやすいくらいにビクッと反応する。
一瞬だけ見せた余裕のない表情…直ぐに切り替えて何事も無かったように
「どした?」
と聞き返す。
内心何を言われるかソワソワしているんだろう。
生憎今その話をするつもりは無い。
「このグラフ、一昨年のものなんで差し替えておきました。」
「あー、ありがとう。」
深澤さんの白くて綺麗な手が私の方に伸びてファイルを受け取った。
その手は直ぐにキーボードに向かってしまう。
私の頭を撫でてくれることは無い。
寂しさを押し殺して平常心を保つ。
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カフ(プロフ) - namanaさん» コメントありがとうございます!もどかしいですよねヽ(;▽;)ノこれからも楽しんで貰えるよう頑張ります! (2021年1月23日 10時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
namana(プロフ) - ちょっと、ふっか黙って話を聞いてほしい!!笑 更新楽しみにしてますね(*´`*) (2021年1月22日 18時) (レス) id: b11e04c615 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カフ | 作成日時:2020年12月12日 12時