2 ページ2
.
「お待たせしました。」
ぼーっと深澤さんを見つめていると仕事を終えた目黒くんがバッグを持って立ち上がった。
「ねぇ、ほんとに一緒に帰るの?
わざんざ遠回りさせちゃうし申し訳ないよ。」
「はい。
そんなこと言ってもAさんだってちゃんと待っててくれたじゃないですか」
図星をつかれてなにも変え言葉がない私は仕方なく目黒くんの後ろについていった。
エレベーターの前で立ち止まると
「怖かったら階段でもいいですよ?」
と聞いてくれる。
「大丈夫!
朝も乗ったし」
ちょうどエレベーターの扉が空いたので目黒くんよりも先に乗り込んだ。
私たちだけしか乗っていなくてスペースも十分あるのに、あとから入って来た目黒くんは、腕が触れそうなくらい近くに立った。
「目黒くん近い」
「そうですか?
あーそんなことより…」
目黒くんがくるっと反転して、私のすぐ横の壁に手をついた。
「エレベーターに閉じ込められた時、翔太さんと何してたんですか?」
背の高い目黒くんの影にすっぽりおさまる形になって、私は思わず身構えた。
「な、何もないわよ」
「ほんとに?」
「ほんと…」
目黒くんは真っ直ぐな目で私を暫く見つめる。
こういう時は年下のくせに妙に感が鋭くて気が抜けない。
まだ何か言いたそうだったけど、いいタイミングで1階にエレベーターが着いたのでそこで目黒くんの体は離れた。
「さ、帰りましょう。
悪い虫がよってくる前に」
独り言のように呟いた後半の言葉は聞こえていないふりをして私はエレベーターを降りた。
2577人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カフ(プロフ) - namanaさん» コメントありがとうございます!もどかしいですよねヽ(;▽;)ノこれからも楽しんで貰えるよう頑張ります! (2021年1月23日 10時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
namana(プロフ) - ちょっと、ふっか黙って話を聞いてほしい!!笑 更新楽しみにしてますね(*´`*) (2021年1月22日 18時) (レス) id: b11e04c615 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カフ | 作成日時:2020年12月12日 12時