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｢深澤さん！
着きました！｣
タクシーが私の家の前に着いたので深澤さんに声をかける。
私の肩に頭を預けたままの深澤さんは私の言葉に｢んー｣と声を出すだけで起きる気配がない。
バックミラー越しに見る運転手さんも少し困ったような顔をしている。
いつも送ってもらうばかりで深澤さんの家知らないし…
このまま私だけ家に帰って無事に深澤さんが自分の家を伝えられる保証もない。
こんな深澤さん初めて見た。
いつも深澤さんはしっかりしていて、笑顔で手を振って私を無事に送り届けてくれるから。
タクシーの中で眠っちゃうなんて、相当疲れてたのかな？
｢どうします？｣
運転手さんが両手を上げて運びましょうか？というようにジェスチャーする。
できたら避けたいところだけど…
私一人の力では敵わない。
今のところ解決方法はそれしか無さそうだ。
｢…お願いします｣
1度ため息をついてタクシーを降りた。
深澤さんを2人がかりで抱え私の部屋まで行く、急いで鍵を開けると、遠慮がちに運転手が言った。
｢お邪魔します｣
仕事とはいえ、一人暮らしの女性の部屋に入るのは気が引けたんだろう。
深澤さんをベッドに降ろすとそそくさと玄関に戻っていく。
｢ご迷惑をおかけしました。｣
｢いえ、こんなことはよくあるので｣
タクシーの運転手は軽くお辞儀をして去っていった。
さてどうしよう…
気持ちよさそうに眠る深澤さんを見ながら頭を抱えた。
うつ伏せになって眠っている深澤さんの背中をゆさゆさと揺らしても起きる気配はない。
この人なんでこんなに起きないの…。
仕方ないからとりあえず深澤さんを放置してシャワーを浴びた。
シャワーから出ても深澤さんは眠っている。
シワになるといけないのでジャケットだけそっと脱がせてハンガーにかけた。
ベッドの前に体育座りし、こちらを向いて眠る深澤さんの寝顔を見つめる。
透き通るような白い肌に長いまつ毛…綺麗な寝顔。
思わず手が伸びてほっぺをつんつんすると眉間にシワを寄せた。
起きちゃうかな？
起きたら帰ってしまうの？
あんなに呆れていたのに一瞬湧き上がった"寂しい"という感情に自分でも驚く。
もうちょっとこのままでいてもいいかな…
ベッドの縁に頭をあずけてぼーっとしているといつの間にか眠ってしまった。
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カフ(プロフ) - namanaさん» コメントありがとうございます！もどかしいですよねヽ(；▽；)ノこれからも楽しんで貰えるよう頑張ります！ (2021年1月23日 10時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
namana(プロフ) - ちょっと、ふっか黙って話を聞いてほしい！！笑 更新楽しみにしてますね(*´｀*) (2021年1月22日 18時) (レス) id: b11e04c615 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カフ
| 作成日時：2020年12月12日 12時
