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ここの所ずっと天気は曇りか雨で、梅雨独特のジメジメした空気と肌寒さに気分もいまいち上がらない。
そんな私の心の中とは裏腹にプロジェクトは順調に進行している。
「Aさん、今日クライアントに挨拶ですよね?
俺も行きます。
直帰ですよね?
帰りにご飯食べましょ!」
あれから目黒くんはわかりやすいくらいにアプローチしてくるようになって…
「A!ちょっとここ確認したいんだけど…こっち来て」
それに対してわかりやすいくらい対抗する深澤さんがいて…
「…」
翔太は相変わらず素知らぬ顔で淡々と仕事をこなす。
まだこれがうちの部署内だけの話だからいいけど、若い女子社員の多い所でされたらまたやっかみを受けかねない。
梅雨空の憂鬱の原因はまさにこれだ。
珍しく今日は外にでようということになって、会社の近くに新しく出来たオシャレなカフェで美那子とランチ中。
私は最近の悩みの種を打ち明けた。
美那子にとっては最近の恋愛ドラマよりも私の恋愛事情の続きの方が気になって仕方ないらしい。
「それって、あんたがハッキリしないからいけないんじゃない?」
図星を突かれて言い返す言葉もない私。
わかってる。
深澤さんや目黒くんの言葉に甘えて答えを出さない。
ずっとこのままではいられないこと。
「どうしたらいいかわからないの。
正直好意を持たれることは嬉しい。
だけどこんな経験なくて自分の気持ちがわからない。」
「あのね、今のAは1番酷なことしてるの、わかる?
どっちにも思わせぶりな態度とって分からないなんて都合よすぎ。」
「…」
「もう分かってるんじゃない?
本当は誰と一緒にいたいか」
私はAが誰を選んでも応援する。
こういう時にちゃんと怒ってくれて、味方でいてくれる友達がいて私は幸せ者だな。
ちゃんと向き合わないと。
私が一緒にいたいのは、私が大切にしたいのは…誰?

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神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです!誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね! (11月30日 17時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え?!全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…!ありがとうございます!!更新楽しみにしています! (11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年11月16日 20時