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それから本格的にプロジェクトが始動し、忙しい日々が続いた。
プロジェクトが大変だからと言って通常業務を怠るわけにもいかない。
翔太や新しくプロジェクトに参加した目黒くんと何度も試行錯誤して少しずつ形にしていく。
私は初めて任された大きな仕事に気合いを漲らせ、朝早くから夜遅くまでの仕事はもちろん、
家に持ち帰って仕事をする日も少なくはなかった。
当然睡眠時間や食事の時間は削られていく。
「A、最近少し痩せたんじゃない?」
と美那子に心配されたが自分ではそれほど深刻な状況だって思ってなかった。
翔太や目黒くんだって頑張ってる。
とにかくこのプロジェクトを成功させなきゃ、って気持ちでいっぱいだったから。
プロジェクトの大体の方針の決定とクライアントとの打ち合わせが終了した日、その報告書を片手に私はある所へ向かっていた。
「あ、なんとかまとまった?」
私を見つけた瞬間、作業をしていた手を止めて席を立った深澤さん。
詳しく説明を聞きたいと近くの空いているミーティングルームに入るよう促された。
誰もいないミーティングルームで深澤さんは10数枚にも及ぶ資料を真剣に読み進めていく。
私は深澤さんの前に立ち、その様子を少し緊張しながら見つめる。
いつもはふざけているのに、仕事の時はまるで別人のように表情を変える。
アドバイスは的確だし、さりげなくフォローもしてくれる。
成功した時は誰よりも褒めてくれる。
コミユニケーション能力が高くて職場の人間からの信頼の厚い人。
尊敬する上司。
ほんとにそれだけ?
なんか美那子のおかげで変に意識するようになってしまった。
仕事に集中しなくちゃいけないのに頭がぐるぐるする。
そして深澤さんが最後のページを読み終え顔をあげた時、私の視界は突然真っ暗になった。
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神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです!誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね! (2020年11月30日 17時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え?!全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…!ありがとうございます!!更新楽しみにしています! (2020年11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年11月16日 20時