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「あ…」
誰もいない廊下を歩いていると翔太が前から歩いてきた。
気まずいなぁ。
あいにくこの廊下には横道がなく、入る部屋もない。
翔太も私に気づいて分かりやすく一瞬立ち止まったが、そのまま真っ直ぐ歩いてくる。
あれからもちろん返事もないまま、仕事でのやり取りを淡々とするだけ。
このままじゃいけないのはわかってる。
だけど翔太から歩み寄ってこないなら何も始まらない。
どんどん近づく距離に比例して私の心臓も大きく鼓動を打つ。
あともう少しですれ違う。
どうしよう、何か言わなきゃ…
そう思っても言葉が出てこない。
その時だった。
翔太が私の腕を掴んだ。
そのせいで私は大きく反動して立ち止まる。
振り返るとあの時と同じ、少し怒ったような翔太の顔があった。
「な、何?」
「何って…その…悪かった。」
「…」
「この前は言いすぎた。」
「ふっ」
翔太があまりにも悲しそうな顔をするからなんだかおかしくなって思わず吹き出した。
そんな顔初めて見たよ。
「なんだよ、人が真剣に謝ってんのに」
「ごめんごめん。
なんかおかしくなっちゃって…」
「あー謝って損した。」
「そんな事言わないでよ。
ごめんってば」
笑いながら翔太の腕を軽く叩いた。
一瞬翔太も笑いかけたのにすぐに真剣な顔に戻って
「お前、そういうの気をつけろよ」
って言う。
そういうのってどういうこと?
はてなマークが飛ぶ。
「まぁわかんねぇならいいけど」
ってぼそっと翔太が呟いた。
「とりあえずあとで打ち合わせするからミーティングルーム来いよ」
そう言って翔太は私の来た方へ歩いていった。
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神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです!誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね! (2020年11月30日 17時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え?!全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…!ありがとうございます!!更新楽しみにしています! (2020年11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年11月16日 20時