11 ページ11
.
深澤さんの言っていた"今度"は思ったよりも早くやってきた。
次の週の金曜日、華金。
私の部署は20人ほどが所属しているが結局集まったのは15人ほどだった。
他の女性社員は既婚者ばかりなのでこういった飲みの席にはほとんど参加しない。
よって、あまり望まない形の紅一点状態だ。
こういった場合はだいたい、女性社員が上司へのお酌に回ることになっている。
男女差別がだいぶ減ったというのに未だにこういった風潮が見られるのはこの部署が完全に男社会だからだと思う。
まぁ女子は女子で面倒だし、この方が自分的にも楽。
無駄にお酒を飲まなくて済むから。
ゆっくりと呑む暇もなく、私は上司のところを周っていた。
「深澤さん、どーぞ」
「あ、Aじゃん。
ありがとな」
深澤さんの所に来た時、彼は嬉しそうに笑った。
そんな彼の耳元に手を当て、小声で話す。
「今日はあんまり飲みすぎないでくださいよ?」
「ん?何?聞こえない」
深澤さんはそう言って顔を寄せ少し距離を縮めてきた。
嘘だ、絶対この人聞こえてる。
だって私の話すタイミングで頷いてたもん。
私は少しばかり自分の行動に後悔した。
先程より声のボリュームを上げて話す。
「だから、あんまり飲みすぎないでくださいね!」
「ふは、りょーかい」
そう言ってまたぽんぽんと頭を撫でられる。
前髪が少し乱れた。
やめてって言ったのに…

2848人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです!誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね! (11月30日 17時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え?!全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…!ありがとうございます!!更新楽しみにしています! (11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年11月16日 20時