エイトが幼なじみだったら(横山くんの場合) (ページ5)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:27,677 hit

5 横山SIDE ページ5

.

｢おーい横山～、今日帰り呑んでかないかー？｣

会議が終わってデスクに戻る時に同期の宮内が声をかけてきた。

こいつから誘ってくるなんて珍しい。

せやけどさっきAが夕飯作るって言っとったしな。

｢悪い、今日は先約があって｣

仕方なくまたの機会にということになった。

宮内との会話の後、デスクに着く際ちらっとAの方に目をやった。

そしたらあいつ、誰にもバレへんようにファイルで顔隠してクスッと笑っとった。

予定通り仕事終えて、エレベーターで1階に向かう。

会社は20階以上あるオフィスビルの一角にある。

俺らの職場はちょうど10階。

毎回この移動が少し面倒やけど仕方ない。

帰る時にはAの姿はなかった。

まぁ会社から一緒に出る訳にも行かへんしな。

と思ったんやけど…

会社出てうちに着くまでの間にスーパーがある。

その入口にAが買い物袋ぶら下げて立っとった。

｢あ、よかったー。
鍵ないから入られへんなーって。
ここにおったら裕通るかな思うて｣

｢お前なぁ、そうやったら連絡しろや｣

｢そうやん！
忘れとった
てか重い！裕持って！｣

そう言うとAは買い物袋を俺の前に差し出した。

俺はそれを渋々受け取る。

受け取る時に少しだけ中身が見えた。

今日は麻婆豆腐やなって俺は心の中で予想しとった。