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16 横山SIDE ページ16
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｢裕！朝やで〜
起きてー｣
Aの声と共に体を揺さぶられる。
渋々目を開けて時計を見ると時刻は午前8時。
｢…なんやねん。
まだ8時やんか、もう少し寝かせろ｣
｢え〜天気もいいし、どこかお出かけしようよ！｣
そう言われて窓の外に目をやると、空はめっちゃ晴れとる。
俺は半ばAに引きづられる形で起き上がった。
眠い目をこすりながらリビングに行くと既に朝食が用意してある。
Aは昨日の様子なんて微塵も感じさせないくらいスッキリしとった。
Aの作った飯を二人で食べる。
今や当たり前の光景や。
そう言えば、Aは住む所ちゃんと探しとるんやろうか…
始めのうちはちょいちょい不動産屋行ってくるとかいう日もあったけど、最近はそんな様子あらへんしな。
まぁ最初こそ、一人のこの部屋にAと暮らすんは違和感あったけど、もうAがいることが当たり前になっとる。
このまま暮らしてもええかな、なんて少し思った。
せやけどもしも、お互い恋人が出来たらどうする？
その時はさすがに出ていくよな…
そこまで考えて、俺は昨日のキスを思い出した。
目の前のAは、すっかり忘れているか、それとも何事も無かったように装っているか…
どちらにせよ大して気にしとらん様子や。
俺だけか、こんな動揺しとるの。
なんだから恥ずかしくなって飯をかき込んだ。
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年5月19日 8時
