15 横山SIDE ページ15
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家までは少しかかるんやけど、酔い醒ましの意味も込めて歩くことにした。
さっきよりもひんやりとした空気が体を包む。
トイレでの出来事、Aは覚えてへんのやろうか…
何事も無かったような態度やから、今更聞くなんてできひんしなぁ。
たかがキスくらいでどうもこうもないか…。
お互いええ歳やし。
部屋に着くなりAはリビングのソファーにダイブした。
俺はソファーの前に胡座をかいた。
｢あーさすがに呑みすぎた〜｣
｢せやから言うたやん。｣
｢やって〜、全然裕こっち来てくれへんかったんやもん｣
｢は？｣
｢若い女の子に囲まれてにやにやしとったー｣
クッションに埋めた顔を少しずらして俺を睨む。
なんやねん。
まるで嫉妬しとるみたいやんか。
｢Aやって隣の部署の奴らに囲まれとったやん。
それにな、酔うとキス魔になるのほんま気をつけや？
俺やったからまだよかったものの…｣
その場のノリでキスのことに触れた。
今しかないと思った。
Aの目が一瞬パッと見開く。
せやけど直ぐにクッションに頬を寄せてにたにたしとる。
｢別に誰でもよかったわけやないもん。｣
｢あほ！
はよ寝ろ！｣
俺はAの言葉に動揺しているのをバレたくなくて、少し乱暴に頭を撫でて立ち上がる。
そのままシャワーを浴びてベッドに入った時、またシャワーの音が聞こえ始めて、Aが、入ったんやなって思った。
その音を聞きながら気づいたら眠りについとった。
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年5月19日 8時
