14 横山SIDE ページ14
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Aが小さくなったのを見て、
｢すんません。
俺も帰ります。
明日早くて…｣
と俺もみんなの輪から外れようとした。
｢えー横山さんカラオケ行きましょうよ〜｣
香水の匂いのきつい女子社員がふらつきながら俺のところにやってくる。
最後まで、ほんまやめてほしい。
｢ごめんなぁ。｣
はよしないとAが…
腕にまとわりついたその子を優しく離す。
｢横山さん、お疲れ様でした。
この子のことは気にしないでください。｣
茉莉香ちゃんが出てきて、そう言ってくれたので割とスムーズに抜け出すことが出来た。
ほんま助かった。ええ子や。
ぞろぞろと二次会のカラオケへ向かっていく皆をある程度見送って、俺はAの行った方向に走り出した。
酔いなんかとっくに冷めきっとる。
夜風が冷たくて心地よかった。
少し行ったコンビニを曲がった所でAはしゃがんどった。
｢もーう！遅いー！｣
ふくれっ面や。
｢しゃーないやんけ。
Aこそ、俺が止めへんかったらカラオケ行くつもりやったやろ？
そない酔っ払ってるくせに｣
｢だって、私の歓迎会やし…断れへんやん。
でも助かったー！
私カラオケ苦手やんか〜
歌って言われたらどうしようか思ったわ〜｣
Aは立ち上がらせてと言わんばかりに両手を俺の方に伸ばしてくる。
俺はAの手を握って引いて立ち上がらせた。
｢帰ろ〜｣
Aはそう言って歩き出した。
何故か右手は繋がれたまま、ぶんぶんと振る。
｢明日絶対二日酔いやな｣
｢ふふふ〜明日休みだからいいもーん｣
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年5月19日 8時
