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9 横山SIDE ページ9

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「裕、今日面白くない顔しとったなぁ」





ハンバーグを丁寧にナイフで切りながらAが言った。


Aが家に転がり込んでからもう2週間が経とうとしていた。


さすがに無料で住むことには引け目を感じたAは、残業がない限りはこうして夕飯を作ってくれる。


俺も自然と早く家に帰ることが増えた。


相変わらず部屋ではジャージにボサボサの頭やけど、ナイフやフォークの使い方、その他の所作はちゃんとしている。


まぁAクラスになると接待や食事会は沢山あるやろうからな。


で、面白くない顔っていうのはきっとあの時、隣の部署の奴と話してた時やろ。


そら面白ないわ。


いつもそんなに関わりない奴らやのに、こういう時だけ。


それに内心、Aにいやらしい目線を送っているのも気に食わんかった。



「そんなことあらへん。
Aの勘違いや」



せやけど、そんなこと思ってるってAに知られたくなかったから、俺は咄嗟に誤魔化した。



「ふーん」



Aは何か言いたげやったけど、そのまま1口大に切ったハンバーグを口に入れた。

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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年5月19日 8時

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