25 横山SIDE ページ25
.
｢横山さん｣
午後のミーティングが終わってテーブルに置かれた資料を回収しとったら可愛らしい声が聞こえた。
｢あ、お疲れさん｣
あーこの子は、歓迎会でよう喋ったな。
茉莉香ちゃんは入口付近でファイルを抱えながら俺に笑顔を向けていた。
｢歓迎会の幹事お疲れ様でした。
同僚の子が迷惑かけちゃってごめんなさい。｣
｢ええで。
それに茉莉香ちゃんの謝ることちゃうやろ？｣
あの時から面倒見のいいええ子やとは思ってたけど、こうやって後日声掛けてくれるなんて、ちゃんとしとるよな。
俺の彼女への好感度は上がるばかりや。
｢横山さん、対応に困ってたみたいだったから。｣
｢まぁ、それは…｣
茉莉香ちゃんは、俺のいるミーティングルームに入ってきてこう言った。
｢良かったらご飯行きませんか？
今度は静かなところでゆっくり｣
突然の誘いに驚いたけど、彼女も俺に対してええ印象を抱いてると思ってええんやな？
｢ええよ。｣
｢良かった。
そしたら美味しそうなお店探しておきますね！｣
キラキラとした笑顔で茉莉香ちゃんはミーティングルームから出てった。
可愛ええ子やな。
俺もその後ろ姿を見送ってから資料をまとめてミーティングルームを後にした。
数日後、休憩室でコーヒー飲んとるところにまた茉莉香ちゃんがやってきた。
｢横山さん、この前言ってた事なんですけど…｣
｢ん？｣
｢ここなんかいいかなって思って｣
そう言って彼女は俺にスマホを向けた。
そこにはお洒落な雰囲気の店のホームページが映っとった。
｢お、ええやん。｣
一瞬迷ったけど、彼女が向けてくれてるのをいいことに画面をスクロールしてホームページを一通り見る。
全席個室の創作居酒屋のようで、さらっと見た通り酒の種類も充実してそうや。
｢よかったー！
私予約しちゃいますね！
横山さん、都合いい日教えてもらってもいいですか？｣
彼女がスマホの画面を自分の方へ向けたのと同時に距離がぐっと近くなる。
それだけで内心ドキドキしてしまってる俺はほんま単純や。
結局二人で呑みに行くんは2日後に決まった。
その日は金曜日や、呑んでも次の日休みやし支障は出ないやろ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年5月19日 8時
