エイトが幼なじみだったら(横山くんの場合) (ページ3)

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3 横山SIDE ページ3

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次の日起きたらもうAはおらんかった。

キッチンにはラップされた朝食が用意されていて、その上にはメモが置いてあった。

Aのきれいな字で

｢冷蔵庫の中のもので勝手に作っちゃった
どうせちゃんとご飯食べてないんでしょ～
先に会社に行ってます。｣

って書いてあった。

そのメモを手に取り思わずにやける。

せやけどすぐに首を横に振って正気を取り戻す。

しっかりせぇ、俺。

騙されんな、あいつはとんでもない奴や。

職場では俺らの関係を知る人はほとんどおらん。

あえて言わん方が仕事しやすいやろってことで特に言ってはいない。

俺がAと幼なじみなんて知られたら、同僚らに絶対紹介しろだの、飲み会にAを誘えだのめんどくさいことになるからな。

｢横山くん｣

会社ではそう呼ぶんや。

｢はい｣

｢この資料、まとめてくれる？｣

｢わかりました。｣

部下である俺は当然敬語。

まぁこれにも慣れたわな。

たまに癖で名前で呼んでしまいそうになるけど。

昼休みはいつも同期の奴らと社員食堂で飯食うてる。

今日もそのはずやった。

デスクでPC開いて、さっきAから頼まれた資料をまとめていると、後ろを通ったAが俺のデスクにクリアファイルを置いていった。

資料の追加やろか…

帰国したばっかりやのによう働くよな。

Aが置いてったファイルに目をやると、1番上にちっちゃい付箋に

お昼休み、○○カフェ集合

って書かれてた。

朝のと同じ、Aのきれいな字。