. ページ5
──
高い天井をぼーっと眺めて数分後、ジョンハン先輩は水が入ったゴブレットを持って戻ってきた。
『先輩、すみません。ありがとうございます…』
JH「んーん、大丈夫。A起きれる？」
起きれます、と言って上体を起こしゴブレットを受け取った。
ごくりと冷たい水を飲み込むと少しスッとして楽になったようだ。
JH「これも食べて、気分が良くなる」
そう言ってチョコレート一欠片を差し出す。
有り難くいただいて口に放り込めばほろ苦く甘い味が口に広がった。
『何から何まですみません…。まさか最初の授業でこんななっちゃうなんて…』
JH「まあ…、ヒッポグリフに乗ることなんてそうそうないからなあ…。
ハグリッドもきっと楽しさを味わってほしくて乗せただけだと思うよ」
『ま、まあそれはわかってるんですけどね…、
そういえば、ジョンハン先輩も今空きコマなんですか？』
JH「うん、本当にたまたまこの時間だけ空きコマなんだ〜。寮に帰って勉強するのもだるくてここ来たㅎㅎ」
『そうだったんですね』
…と微妙な沈黙が流れる。
JH「…あのさ、A」
『は、はい、な、なんでしょう…』
何を言われるんだとドキドキしながら先輩の方を見る。
JH「…ちょっと早いんだけど、A3年生になったからホグズミード行けるようになったでしょ？
その…、もしよかったら一緒にどうかなって…」
『あ、ホグズミード…』
JH「あ、いやっ、そのもし同級生と行く約束してるなら…あれなんだけど」
珍しく言葉尻がどんどん窄んでいく先輩。
『大丈夫ですよ、行きましょう』
そう答えると「…ほんとに？」と嬉しそうな表情を浮かべた。
『ウォヌたちと先約があるので1週目はウォヌたちと行かせて欲しいですけど、それ以降だったら大丈夫です。
いつも先輩にはお世話になってるし…行きましょう』
JH「約束ね、絶対ね。」
指切りをしてハンコまで押した。
先輩は「あ〜よかった…」とボソボソ呟いていて、
『そんな緊張することでした？』と聞くと
目をかっぴらいて「デートだよ？！デート！！」
と言ってきた。
よくよく考えればデートだ。
そんなこと意識もしてなかったのだ。
なんだかちょっぴり恥ずかしいような気まずいような気持ちになり、ぽりぽりと頬をかきながら「そうですね、」と当たり障りのない返事をした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 604人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
屑(プロフ) - Shooさん» ありがとうございます(^｡^)！！！吹っ飛ばすかどうかもうちょっと検討して更新しますね〜！お褒めの言葉も力になります、感謝👊🫶 (4月25日 23時) (
レス) id: 2271d2c199 (このIDを非表示/違反報告)
Shoo(プロフ) - 4年生飛ばす、全然大丈夫です！！毎回面白いので、屑さんの思い描くようにしちゃってください！！！楽しみにしてます！ (4月25日 2時) (レス) @page28 id: ce8165260a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：屑 | 作成日時：2024年2月22日 0時
