待宵草と咲く

違和感 ページ30

──


「もう、あの子頭がおかしいんじゃないのかしら！」



休暇前日、部屋で荷造りをしていると同室のアナがドタドタと入ってきた。



『アナ、どうしたの？』



「噂の肖像画よ！今学期入ってから目撃されてる...。


私が廊下歩いてたらずっと横に着いてきてぶつぶつぶつぶつ何か言ってるの。自分のものにしないと、とか。



気味が悪くて仕方ないわ、インセンディオで燃やしてやろうかしら」



『ええ...それ噂は聞いたことあるけど見たことないんだよね...、どんな人なの？』



「私もよくわからないけど...学生ぐらいの子で髪がこのくらいで目が赤黒い感じ。ああ、思い出しただけでも気持ち悪い。
貴女も気をつけてね、次あったら本当に燃やしてやる」



赤黒い目。



其れに心当たりはあったがアナが言っているのは肖像画の話だ。



肖像画は絵の具と記憶でできていると本で読んだ事がある。



でも人間と肖像画は全く別物だし私が見たあの女子生徒なはずがない。



少し不安な気持ちを抱いたまま、荷造りを進めた。





── WN side



明日から帰省するので図書室でクリスマス休暇の課題を整理したり必要な文献を集めたりしていた。



冷える手にはーっと息を吹きかけ羽ペンを走らせる。



？「ねえ」




WN「はい？」




話したこともないスリザリン生から話しかけられた。




WN「...何か？」




sl「私、ソラ・オードレット。スリザリンの2年よ、よろしく」




WN「ああ、...俺は」




sl「知ってるわ、レイブンクローのチョンウォヌ」




目立ったことはしてないのに顔は知られているのか、ともやつく。




sl「...貴方、イ・Aとよく一緒にいるでしょ？」




WN「それがどうした」



sl「好きなの？...彼女のこと。」


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