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【ギークside】


女が、俺に迫るようにキスをする。


女「またね!ギーク」



そしてそう言って、去っていった。





これで何人目だろうか。

遊ぶだけの女は。




ちなみに、ギークは俺のニックネームだ。

こういう遊ぶだけの女に本名は教えない。



こんな奴らに、本名を教える価値なんてないから。



俺は親に捨てられた。

親戚なんかいないし、




仕方ねぇからバイトして、働いて…



もうなんか、疲れてしまった…………。


俺は壁にもたれて崩れ落ちた。




クッソ眠い……





俺は孤独だ。


誰も信じるものか………




そろそろ女遊びも飽きてきた…
男遊び←でもしてみようか



気配を感じて、目を開けると、



一人の男児が立っていた。


ギーク「………何の用だ」



この男児、オメガだな。

フェロモンが…………………



?「倒れてるかと…思った」



そいつは、俺に対して手を差し伸べた。


?「起きれる?」


………



ギーク「ばぁか。


“起きれますか”だろーが」




男児の手を掴んで起き上がる。


冷たい手だ。



傷がある。


ギーク「お前、孤児だな」



そう言うと、そいつは悲しそうな顔をする。





孤児の上に、この路地裏に住んでるとでも言うのだろうか。


俺はそいつの頭をぽんぽんと叩いて、抱き上げた。


ギーク「家に来い。

……ホットココア飲ませてやるから」



体は、手よりももっと冷たかった。

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作者名:松壱 | 作成日時:2018年1月16日 22時

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