〜第一章〜 その4 ページ5
その頃厨の城ではちょっとした騒ぎになっていた。
「ですが、ソーシスオブライフに行くには馬車で10日以上かかります!」
「だから何ですか!
そんなひ弱なのでどうしますか!」
それはアマテラスの爆弾発言のせいだった。
ソーシスオブライフまでは厨からも火羅からも相当な距離があり、
そんなに急に行こうとはできないのだ。
アマテラスは止めようとした城の者をしかり叱りとばすと、
1人にこう指示をした。
「馬を出して!
もういいです、私1人で参ります!」
「な、なりません!そんな危ない…」
城の者のどよめきがさらに大きくなったとき。
そこに現れたのが守衛のアルスだった。
「では、私が共に参りましょう。
私は武術を心得ておりますので、プリンセスをお守りできます。
不服はございませんね、アマテラス様。」
アルスはひざまづき、上目遣いでアマテラスを見つめた。
ちなみにこの2人は秘密の恋仲だというウワサがたっていた。
紅く染まった頰を隠すように彼女は顔を背け「構わないわ」と一言だけ言った。
するとアルスは屈託ない笑顔を見せた。
「では支度いたしましょう。」
アマテラスを連れて、アルスは部屋へと戻った。
部屋に入り彼と目が合うと、彼女は微笑んだ。
「抜かりないわね。」
「プリンセス様のためなら。」
2人は一時クスクスと笑い合うと、支度を始めた。
「絶対にお守りするからな。」
「ふふ…分かってる。」
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作者名:松壱 | 作成日時:2017年10月28日 17時