暗殺集団、せんせーションズ。

不安もあるけどわくわくする。 ページ7

「ファルちゃんおはよ。遅かったね？」

ギークだ。よくわからないあだ名を勝手につけて俺にくっついてくる。この人のパーソナルスペースは狭いんだと思う。

「おはよ、ちょっと寝坊…」

「そうだったの？ファルちゃん可愛い」

寝坊が可愛い？そんな経験は勿論生まれて初めてだ。やっぱりこの人はどこか変わっているらしい。

「ちょっとギーク！ファルが朝ごはん食べれないでしょ！」

「もー、分かってるよコマ！ファルちゃん、また後でね」

コマンダーに注意されるとひらひら手を振りながら別の所に行った。よし、これで朝ごはんが食べれるな。



朝ごはんを食べて食後のカフェオレ(最初コーヒーを出されたけど牛乳を入れないと飲めないって言ったら入れてくれた。やっぱりコマンダーは優しい)を飲みながら一息ついてたらコマンダーとスコープが皆を集めてたので、俺も皆の傍に行く。

「新しい依頼が来た」

依頼。ついに始まるんだ、俺の初仕事。

「今回の対象は4人。暴力団グループの関係者らしい。向こうのアジトだけど…」

スコープの話に耳を傾けてメモを取る。ちなみに俺ら暗殺者の元に来る依頼は基本は政府からだ。政府が一般国民の目に見えない所で殺して欲しい手強い奴らか、普通の人では手に負えないような所謂超生物なんかが現れた時、俺らの所に対象の資料と前払いの金とともに依頼してくる。そして成功すれば俺らは証拠の写真を送り、向こうからは報酬が来るというのが大体の流れだ。

「今回のメンバーはスコープ、バレット、シノビ、ドクター。そしてファルコンJr.」

コマンダーが言ったメンバーの中に俺が入ってる。やった、っていうか皆じゃねーの？

「待って、いきなりファルコンくん入れちゃって大丈夫なの？」

ラピッドファイヤーが不安そうに言う。まぁ確かにここに来て2日目だし俺の能力はまだ誰も見たことがない。

「そこは何かあればバレットとシノビに守ってもらうから。ドクターにはずっと傍に居て貰うつもりだし」

げ、マジかよ！ぱっとドクターを見れば向こうも嫌そうな顔でこっちを見ていた。大体なんで俺こいつにこんな嫌われてんの？

「ファル、大丈夫そう？」

睨んでやってるとコマンダーに声を掛けられて慌てて大丈夫！と返事をする。兎にも角にも初仕事だ。不安もあるけどわくわくする。

だけど俺の悪いくせ。張り切りすぎると周りが見えなくなるんだ。

…やっぱりこいつキライ！→←来て早々寝坊って。

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