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私が一言断りを入れれば、酷く傷ついた顔をする牛島。この世の不幸を凝縮して溶かし込んだように端正な顔を歪める。
「A、嫌だ。……だって、俺は「これから牛島のお昼ご飯と晩御飯作らなきゃいけないの。だから、ごめん」
私は、切れ長の瞳に涙を浮かばせながら口を動かしている牛島の話を遮った。基本的に、日本人的礼儀的に、意識的に、私は人の話はなるべく遮らないようにしてたし、被せないようにしていた。
けど、これは流石に例外的案件。今の牛島は見るに耐えなくて。図らずしもゲインロズ効果を用いた私は、牛島へ与えるショックをなるべく抑えれた……つもり。
「……わかった」
それが功を成したのかは定かじゃないけど、牛島は納得してくれたようだ。
「けど、今だけ、休憩が終わるまででいい。少しだけこうさせてくれ……」
そういった牛島はたくましい腕を私の背中に回した。力強くも優しい手つきだ。まるで、私の実体を確かめるような……
首を傾けて牛島の体を避けるようにしてスタンドタイマーを見れば、残り20秒弱。……まあ、それくらいなら。
「……うん」
いいよ。
私の返事で更に少しだけ腕に込める力を強めた牛島。私はそれに抵抗しない。かといって、自ら寄り添い、受け入れることもしない。只々無抵抗に過ごした。
いや正直、心臓が口から出ないようにするので精一杯だっただけなんだけどね。こういうときに限って時間の流れが遅く感じるし。体感的にはもう2時間ぐらい経ってるのに、アラームはまだ鳴らないし……
しかし、いくら時の流れが遅く感じようとも終わりは必ずやって来る。時間は有限であるとは、よく言ったものだ。
ビーという割とけたたましい音が後方から聞こえた。ああ、20秒経ったのね。
「……牛島」
私が一声かければ、牛島は以外にも呆気なく素直に私を解放してくれた。ただ、非常に名残惜しそうだったけど。
「A、……」
「ん、なに？」
未だ悲しそうな顔をしている牛島。彼の愁眉がより一層その印象を強めている。いつもはキリリとしていて凛々しいのにね。
「いや、……くれぐれも、気を、付けるんだぞ」
「？ うん。それじゃ、練習頑張って」
牛島は歯切れ悪くそう言うと、踏ん切りを付けるようにバッと勢い良く私に背を向けて皆のもとへ駆け寄った。牛島のそういうけじめをしっかりつけるところ……まあ、嫌いではない。
そんなことを考えながら、私は体育館を出た。
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ライチ(プロフ) - 続きは無いんですか？？まだ続きを見たいです！ (2020年10月3日 15時) (
レス) id: 812b1ab43b (このIDを非表示/違反報告)
バッキバッキーに折ーれ - あれ？終わってしまったんですか？牛若のヤンデレっぷりをまだ見ていたいです！ (2019年8月1日 14時) (レス) id: 9db58cab5f (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 森はる。さん» 森はる。さん、コメントありがとうございます！皆さんのおかげで続編を出せました。感謝です!!!!!楽しんで頂けているようで私も幸せです（真顔）応援ありがとうございます！相変わらずな更新頻度だとは思いますが、精一杯頑張りますね（^^）!!!!! (2017年9月16日 8時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
森はる。(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!毎度毎度牛若のヤンデレっぷりを楽しみにしてるのでもう見てて幸せです(真顔)これからも無理なく更新頑張ってください！ (2017年9月16日 8時) (レス) id: 85d03e2f20 (このIDを非表示/違反報告)
森はる。(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!毎度毎度牛若のヤンデレっぷりを楽しみにしてるのでもう見てて幸せです(真顔)これからも無理なく更新頑張ってください！ (2017年9月16日 8時) (レス) id: 85d03e2f20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たなぱし | 作成日時：2017年9月16日 7時
