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「それじゃ、俺達もそろそろ部屋に戻ろっか」
いい感じに涼めた俺らはソファーから腰を上げた。
森然高校の合宿用宿舎の長い廊下を駄弁りながら歩く。俺達が寝泊まりする部屋は学校別に分かれてはいるものの、部屋自体は隣合っていたり向かい合っていたりする為、
「音駒って平均してレシーブ力あるよな」
「まあ、それほどでも。けど一人明らかに下手くそなのが「しっ！静かに！！なんか聞こえる！！！」
黒尾と俺が喋っていると、一人前を歩いていた及川がそう叫び、口の前で人差し指をさした。さっきまでの奴のむくれ具合はどこかにフライアウェイしたご様子。
「うん、及川クンの方がうるせーな！！！」(小声)
おいおい、木兎にそれ言われちゃなんねえな、及川クン。そして小声なのに語尾に感嘆符が見えるってどういうことなの流石木兎クン。
「でも本当になんか聞こえないか？」
そう言った澤村が耳に手を添えて辺りに気配を配る。それを見た俺達も息を潜め、耳を澄ませた。
……やっぱ、何も聞こえな「ぅ゛っ…！」
俺がそう思ったまさにその時、微かな音が聞こえた。いや、それは音ではなく誰かの声だったのかもしれない。
俺達は静かに顔を合わせる。誰かの生唾を飲む音が聞こえた。
「ゆ、ゆーれい……？」(小声)
そう言った工の顔は青ざめていた。それはさながら、鷲匠監督に怒鳴られる直前のよう。つまりとても顔色が悪い。
「まっさか！」(小声)
及川が両手を広げながら明るい声音でそういった。しかしその声は震えている。残念ながら、恐怖心をまるで押し殺せていない。しかし及川は虚勢を張り尚も続ける。
「だいたいそんな非現実的な「ぃ゛だ、あっ……！！」
うわ、また聞こえた。しかも今度はよりハッキリと。
「嘘でしょ嘘でしょ！？」(小声)
及川は耳を抑えて蹲った。奴のためにも言っておくけど、他にも何人かはめっちゃ冷汗を飛ばしてビビっている。ちなみに俺もそうだ。
「とうとう恥も外聞も捨てましたね。あ、もともとそんなもの持ち合わせていませんでしたよね」
「お前怖くねえの？俺はすっげえ怖い」(小声)
白布の毒舌ぶりは通常運転すぎるんだけど、逆に今は非常に心強いありがとう。そして川西、お前はもっと表情筋を働かせろ。いつもとおんなじ真顔だわ。
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たなぱし(プロフ) - 田畑とあさん» 田畑とあさん、コメントありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張りますね（^^*） (2017年8月29日 9時) (
レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
田畑とあ(プロフ) - 応援してます！更新楽しみにしてます！ (2017年8月29日 3時) (レス) id: a96b3e8621 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 雑食性のハトさん» 雑食性のハトさん、コメントありがとうございます！若利君は可愛いですよね〜。あ、アレですよ？最近テスト等で余りにも多忙だったので、恋人の居ない現状に対する皮肉も込めてリア充になったとお知らせ致しました！…笑うしかないです笑笑応援ありがとうございます！！ (2017年8月21日 11時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
雑食性のハト(プロフ) - 若利君、かわよす。そして作者さま、リア充になったのですか。。。尊敬します…(;^ω^)そして更新、頑張ってください〜♪ (2017年8月20日 22時) (レス) id: 56f9ba41b1 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 男性声優大好きさん» 男性声優大好きさん、コメントまたまたありがとうございます！良いお話だなんてありがとうこざいます！凄く励みになります！！更新頑張りますね(`･ω･´) (2017年8月10日 20時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たなぱし | 作成日時：2017年4月23日 11時
