検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:99,045 hit

少女と弓道場。 ページ34

.


「Aさ、最近困ってることない?」





弓をしならせ弦を外そうとしていた少女に、森がそんな言葉を投げかけた。





――は、?ば、バレた……?いや、まさか……





「え、何のこと?」





少女は必死に動揺してるのを隠し、いつも通りを装う。





「へえ……庇ってるんだ、赤葦のこと。まあ、Aのそんな優しいとこも素敵なんだけどさあ」





パタンとノートを閉じ、真っ直ぐに少女の瞳を見つめる森。やけに爛々としているそれは、どこか狂気じみていた。瞳に少女は映っているが、少女は見ていない。





「……え、京治…?しんじは何を言ってるの?」





――あれ、ストーカーのことじゃないの?





予想外の森の言葉に、思わず目を丸くする少女。





「大丈夫、俺は全部分かってるから。……A、赤葦に付きまとわれてて困ってるんだろ?」





「こ、困ってなんか……むしろ、私の方がお世話になってて「ああそうか、Aは赤葦に脅されてんだな。だからそんなこと言うんだな」





少女の言葉を遮り、森は一人納得しなように頷きを繰り返す。





「しんじ、一体どうしたの……?」





少女が心配と怯えを混ぜた瞳と声音で森の様子を窺う。





「どうしたの、だって……?俺はただ心配なんだって!!だって、もうすぐAは二週間も俺の目の届かないとこに行くんだぞ!?」





森のどなり声に少女の心臓が高鳴る。背中に冷や汗が駆ける。



森の訴えには、どうして分かってくれないんだという、彼の悲痛な思いが込められていた。



ゆらりと森が立ち上がり、一歩いっぽ少女に近づく。それと反対に、少女は森から一歩いっぽ遠ざかる。本能的に何だかヤバいと感じたからだ。


.

少女は目をつぶる。→←私と部活の片付け。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (73 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
175人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» わ、ヤンデレ牛島君(なんか闇金ウシジマくんみたい←)もご覧になっていだだけてるんですね!!嬉しいです^^牛島君のヤンデレは他ではあまり見かけませんよねー。自分得で書かせていただいてます笑 (2017年3月18日 7時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
ごくえんろう(プロフ) - たなぱしさん» 私は真っ黒黒葦派です(笑) ヤンデレ牛島君も読ませていただきました! 赤葦君も牛島君も好きなので嬉しいです(*´艸`*) (2017年3月18日 0時) (レス) id: 82fd8ee9bf (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» たなぱしとしては赤葦君好きが増えて何よりです!ただ、続編では赤葦君の印象がガラリと変わってしまうので……ちなみにたなぱしは真っ白葦も真っ黒葦もイケるクチです。もう赤葦君なら、なに葦でもイイです。赤葦に幸あれ(真顔)← (2017年3月18日 0時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ごくえんろうさん» ごくえんろうさん、コメントありがとうございます!うわああ、本当ですね!最後の最後に締まりませんね!←これは圧倒的誤字ですね。指摘ありがとうございます!!! (2017年3月18日 0時) (レス) id: 8222ef3129 (このIDを非表示/違反報告)
ごくえんろう(プロフ) - ストーリー、とても面白いです!赤葦君をこの小説で好きになりました! あの、私と幼馴染と車内で。の最後らへん、『赤葦はスルッと』の部分なのですが、少女戸になっています。誤字ではないでしょうか。長文、失礼しました。 (2017年3月18日 0時) (レス) id: 82fd8ee9bf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たなぱし | 作成日時:2017年2月8日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。